エルダー2019年11月号
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特集エルダー72019年度 高年齢者雇用開発コンテストⅡ用促進にかかる取組みの一環として開催。会場には、企業の人事・労務担当者ら、約350人が全国から参集した。同フォーラムでは、「2019年度高年齢者雇用開発コンテスト」の表彰式をはじめ、諏す訪わ康やす雄お法政大学名誉教授による記念講演やコンテスト入賞企業・団体による事例発表、トークセッションが行われた。はじめに、加藤勝かつ信のぶ厚生労働大臣と当機構の和田慶よし宏ひろ理事長による主催者挨拶があり、その後に行われた表彰式では、厚生労働大臣表彰として、最優秀賞は医療法人社団五色会、優秀賞は株式会社建設相互測地社、松川電氣株式会社、社会福祉法人いろどり福祉会 ケアハウス・在宅複合施設花はな紬つむぎ、特別賞は株式会社ムジコ・クリエイト、株式会社アパレルオオタの6社に加藤大臣より賞状が授与された。次に、当機構理事長表彰では、優秀賞の社会福祉法人洗心会をはじめとする7社、特別賞17社に和田理事長より賞状が贈られた。表彰式後の記念講演で諏訪氏は、「シニア就業の自助・共助・公助〜人生100年時代に向けて〜」をテーマに、職業人生が長期化していくなかで、働く人々と企業などの組織、国や地方自治体にはどのような対応が求められているのかについて語った。諏訪氏は、中高年齢層がこれまでにたどってきた組織内での位置づけなどを振り返りつつ、企業における60歳代以降の雇用確保措置の状況と企業規模別の年齢構成、いまや46歳となっている通年の企業勤務者の平均年齢の現状を説明するなかで、働く人々の仕事への姿勢やキャリア形成に着目。「年代別の仕事上の重視事項」について、40代までは1位が「給与・賃金」であるのに対し、50代以降は「仕事のやりがい」が最も重視されているという調査結果を紹介しつつ、企業は中高年齢層の社員に対して「やりがい」を重要視する必要があると述べた。また、生涯学習の時代といわれるなか、中高年層の学びについて、自身による「自助」努力も必要だが、同時に、これからは地域や職場・企業などによる「共助」や国・地方自治体による「公助」における対応を高めていくことが重要課題の一つではないかと唱えた。その後の事例発表では、入賞企業から医療法人社団五色会、株式会社建設相互測地社、松川電氣株式会社の3社が自社の取組みの内容や制度などを紹介した。続いて行われたトークセッションでは、内田賢まさる・東京学芸大学教育学部教授をコーディネーターに迎え、事例発表した3社の代表者がパネリストとして登壇(五色会・佐藤仁ひとし理事長、建設相互測地社・安あ孫び子こ健一代表取締役、松川電氣・小澤邦くに比ひ呂ろ代表取締役)。「高齢社員活用の最前線〜コンテスト表彰事例から探る〜」をテーマに、高齢社員の持っている能力・技術・経験を活かす工夫や長く働き続けられる職場づくりなどについて、各パネリストが取組みを語り、フォーラムは盛況のうちに閉幕した。なお、記念講演とトークセッションの詳細は、本誌2020年1月号で掲載する予定。挨拶に立つ当機構の和田慶宏理事長記念講演を行った諏訪康雄氏

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