エルダー2019年12月号
23/68

特集70歳雇用 先進企業はこうしているエルダー21社員の安定した雇用環境を整え高品質な製品の製造体制を構築株式会社テクノスチールダイシンは、2001(平成13)年9月に石田裕ひろ之ゆき代表取締役が、鉄骨施工図・現寸業の「大進工業」として創業。同年12月に宇都宮市内に工場を設立。今年18年目を迎えた、鉄鋼事業者である。建築鉄骨の製作を事業の柱に、建築耐震補強工事、橋きょう梁りょう工事、プラント工事なども手がけている。 2007年、大進工業から「株式会社テクノスチールダイシン」に改組し、2008年に国土交通大臣認定工場の鉄骨製作工場性能評価「Rグレード」※1を取得。翌年の2009年7月には「Mグレード」に昇格した。そして、さらに一つ上の等級である「Hグレード」を目ざし、社員の安定した雇用環境の整備・改善を行い、資格取得を奨励するなど、企業の成長に向けた改革に取り組んできた。Hグレードを取得している企業は国内で260社ほどしかなく、認証取得企業は超高層ビル以外のあらゆる建築物の施工が可能になる。8年間の取組みを経て、2017年8月に念願のHグレード認証を取得。これにより、鉄骨溶接部の性能、あるいは検査体制が認められ、耐震性に優れた鉄骨を提供できる鉄骨製作工場として信頼性が高まった。さらに、取引企業の幅が広がり、現在は栃木県内を主軸に、関東圏、南東北圏を商圏として展開し、事業規模を拡大している。同社はかねてより高齢者雇用の促進に努めており、2016年には高年齢者雇用開発コンテスト※2厚生労働大臣表彰優秀賞を受賞している。現在、60歳以上の社員は12人、そのうち65歳以上が9人おり、彼らは戦力としてだけでなく、社員の精神的な支えとして、相談役として、かけがえのない役割をになっている。₇0歳への定年引上げと各種施策の導入で高齢社員のモチベーションが大きく向上■70歳定年延長と退職金制度の新設2015年8月に定年を70歳に延長し、その後の雇用継続には年齢の上限を設けないことを企業事例3毎日の張合いと働く目標につながった70歳定年制株式会社テクノスチールダイシン(栃木県宇都宮市)定年₇0歳・雇用年齢上限なし※1 Rグレード…… 鉄骨溶接構造5階建て以上の建築物(延床面積3000m2以内、高さ20m以下)、400N級および490N級炭素鋼で板厚32mm以下の鋼材、原則下向き溶接の製作が可能※2 高年齢者雇用開発コンテスト…… 企業が行った、高齢者が活き活きと働くことのできる職場づくりの事例を募集・収集し、優秀事例について表彰を行っている。厚生労働省と当機構が主催株式会社テクノスチールダイシン本社

元のページ  ../index.html#23

このブックを見る