エルダー2019年12月号
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特集70歳雇用 先進企業はこうしているエルダー25最大80歳まで勤務可能定年後も「ライフワーク」として勤務全国に支社62カ所、営業所464カ所を展開する富国生命保険相互会社。1923(大正12)年の創業以来、「相互扶助」の精神で事業を展開し、2023年の創立100周年に向け、次代の相互扶助を探求する「100周年プロジェクト」に取り組んでいる。職員の構成は、社内で事務や営業を行う「内務職員」と、お客さまに対して営業活動やアフターサービスを行う「営業職員」の二つに分かれており、内務職員はパートなどを含めて全国に約3500人、営業職員は委託を含めて約9000人が在籍している。定年は、内務職員が60歳で、営業職員は65歳。営業企画部営業企画グループの國くに見み善よし行ゆき課長は、「内務職員は60歳で定年を迎え、希望者全員を65歳まで再雇用しています。営業職員の場合は、定年の65歳を迎えると定年退職金が支払われ、そこで退職する方もいますが、定年後も継続して勤務することが可能であり、多くの人が仕事を続けています」と話す。営業職員の定年後の仕事の続け方は、2パターンある。一つは、定年前と同じように週5日、毎日9時30分から16時30分まで勤務する「勤務延長」。ただし、一定水準の営業成績を保っていることが必要で、体力や能力的に従来通りの活動ができることが条件である。実績を上げていれば、最大で80歳までの勤務が可能である。以前は年齢制限を設けていなかったが、高齢者の体力や安全、お客さまへの対応などについて配慮し、2011(平成23)年10月より80歳という上限を設けた。もう一つは、出勤義務のない「委託職階」への移行である。國見課長は、「委託職階への移行は、『65歳を超えると、さすがに週5日のフルタイム勤務は体力の負担が大きい。でも、これまで担当してきたお客さまのフォローは続けたい。保険を検討したいというお客さまがいるならこれからも営業を続けたい』という職員のための働き方です」と説明する。10年以上勤めている方は委託職階へ移行可能で、勤務延長より条件のハードルが低い営業成績で働き続けることができ、こちらも最長で80歳まで働くことが可能となっている。現在、65歳以上の営業職員は、勤務延長が536人、委託職階への移行が596人。計1132人が、定年後も活躍している。同社の営業職員とお客さまとの関係は密接であり、本人だけではなく、子や孫の代まで長い期間のつき合いになることも少なくない。「営業職員も、お客さまとの関係を続けてい企業事例480歳まで勤務可能な環境を整備し〝外〞に目を向けるため「プロボノ」を活用富ふ国こく生命保険相互会社(東京都千代田区)定年65歳・雇用年齢上限80歳※営業職員の場合

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