エルダー2019年12月号
38/68

2019.1236就業促進は並行した課題ですが、同社は高齢者雇用に理解があり、また、働く高齢従業員はパワフルで労働意欲の高い人が多くいましたので、今後は高齢従業員のがんばりを評価し、モチベーションアップが図れるような評価制度を提案したいと考えています」。そこで今回は、バジルの選別作業で「ゴールデンコンビ」と呼ばれて一目置かれている、パワフルなお2人にお話を聞きました。スピーディで正確な仕事に高評価週3日、8時から17時まで勤務する立たつ川かわ久ひさ子こさん(71歳)と、伊い美み留る易い子こさん(67歳)は、冷食課に所属し、バジル、大根、セロリ、ニンジンなど季節の野菜を冷凍加工する工程にたずさわっています。るようにしているほか、作業補助の機器を導入して身体的負担を軽減する、重いものを扱う作業は50歳を過ぎたら若い世代の従業員に引き継ぐようにするなど、さまざまな取組みを行っています。一定の年齢で作業の引継ぎを行うことにより、若い世代は仕事を覚え、技能の継承が行われる仕組みです。世代間のコミュニケーションも、ごく自然にとれているとのこと。「高齢従業員が人生の先輩として、若手・中堅従業員の相談にのっているようです。逆に、若手のなかには仲のよいベテラン従業員のことを『◯◯ちゃん』と親しみを込めて呼ぶ人もいて、呼ばれた当人はまんざらでもない様子で嬉しそうにしています」と吉丸さんは話します。パワフルで働く意欲にあふれる高齢従業員山田プランナーは、2019年1月に初めて同社を訪問しました。その2カ月後の3月に高齢者を戦力化するための提案に訪れ、高齢従業員が安心して働けるよう、正規従業員の定年年齢の65歳への引上げと、希望者全員を70歳まで継続雇用をする制度の導入を提案しています。山田プランナーは「多くの会社で人手不足が深刻化しており、同社が所在する国東市も若年層の確保がむずかしい状況にあります。若年層の雇用確保と高齢者の高齢従業員がいないと事業が成り立ちません。特に近年は、現場の主なにない手だった高校新卒者が減っていますから、現場での高齢従業員の役割は増しています」と説明します。会社を支える存在の高齢従業員が働きやすいように、もっとも気をつけていることは「無理をさせない」こと。スケジュール、体調管理、作業負担など、あらゆる面において、無理をしない範囲で仕事を任せることが高齢従業員にとってもっとも重要であるという考えのもと、取組みを展開しています。例えば、休暇を申請しやすいように、ホワイトボードに希望日を記入することで休暇を取得できいつも元気に活躍し、職場の雰囲気を盛り上げている立川久子さんマスコットキャラクターの「バジルくん」を紹介する総務経理課の吉丸喜美代さん

元のページ  ../index.html#38

このブックを見る