エルダー2019年12月号
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エルダー47するシステムを修復することが必要です。日本料理の専門家の協力のもと、日本食の特徴を活かしながら、疲労回復に効果がある食材を取り入れたメニューを考えましたので、その一部をご紹介します。疲労回復に効果があるおすすめ食材とは■主菜❶ 鶏むね肉:疲れを軽減させる効果が実証されているイミダゾールジペプチドが豊富に含まれる。アミノ酸バランスのよい良質のタンパク質で消化吸収率がよく、高齢者にもおすすめの食材。 【鶏むね肉のおすすめ料理】 ◇ 鶏むね肉の梅風味焼き…梅に含まれるクエン酸は疲労回復効果に加えて、カルシウムの吸収を高める効果も。❷ 牛肉:L‐カルニチンやコエンザイムQ10を含み、アミノ酸バランスに優れる牛肉。体や脳を活性化させるアラキドン酸も含む。 【牛肉のおすすめ料理】 ◇ サツマイモ入りハンバーグ…さいの目に切ったサツマイモを一緒に捏こねたハンバーグ。サツマイモは代謝のサポート役のビタミンB1や体の錆さびを防ぐビタミンC、ビタミンEを豊富に含みます。たっぷりな栄養素とあわせてボリュームも満点。■副菜❶ ほうれん草:抗酸化成分であるカロテンや、脂質の分解をうながすパントテン酸、鉄分などのミネラルを豊富に含む、緑黄色野菜の代表格。 【ほうれん草のおすすめ料理】 ◇ ほうれん草のツナ缶和え…DHAが豊富なツナに、カロテンやビタミンB群を含むニンジンと一緒にマヨネーズで和えるだけ。栄養豊富なうえ簡単につくれる一品。❷ ひじき:不足しがちなカルシウムや鉄分のほか、神経伝達物質をつくるトリプトファンやビタミンB2も豊富に含まれる。 【ひじきのおすすめ料理】 ◇ ひじきの五目煮…抗酸化作用のあるゴボウやニンジン、大豆などとあわせる定番料理。タンパク質も補え、抗ストレスの強力な味方になります。※ レシピ詳細については、左記の参考資料を、ぜひご一読ください。〔参考資料〕  渡辺恭良、水野 敬、浦上 浩著『おいしく食べて疲れをとる』(オフィス・エル)わたなべ・やすよし京都大学大学院医学研究科博士課程修了、大阪医科大学医学部・講師、大阪バイオサイエンス研究所・研究部長、大阪市立大学大学院医学研究科・教授、理化学研究所分子イメージング科学研究センター・センター長、理化学研究所ライフサイエンス技術基盤研究センター・センター長、大阪市立大学健康科学イノベーションセンター所長等を歴任し、現在は、理化学研究所健康生き活き羅針盤リサーチコンプレックス推進プログラム・プログラムディレクター、理化学研究所生命機能科学研究センター・チームリーダー、大阪市立大学健康科学イノベーションセンター・顧問を兼任。日本疲労学会・理事長。図表 一汁三菜の組合せと理想的なカロリー※筆者作成ごはん+汁もの+主菜+副菜①+副菜②=500~600キロカロリーの範囲が理想主 菜副菜①副菜②ごはん汁もの汁ものお碗1杯100g=約20~40キロカロリー。お味噌汁やお吸い物。栄養を補うほか、水分で食事の満足感を高める役割もあり、食べ過ぎの防止効果も期待できる。ごはんお茶碗1杯100g=168キロカロリー。炭水化物(糖質)を摂取する。エネルギーや集中力の源に。主 菜約200~300キロカロリー。体に力をつける「タンパク質」を摂取する。抵抗力をアップ。副菜①約20~100キロカロリー。ビタミンミネラル、食物繊維など、代謝を助ける栄養素を摂取する。副菜②約20~100キロカロリー。副菜①と合わせて、不足しがちな栄養素を補填。

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