エルダー2019年12月号
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エルダー592019.12 December ニュース ファイル 「統計からみた我が国の高齢者」総務省 総務省は、敬老の日にあわせて、「統計からみた我が国の高齢者」をまとめた。  国勢調査をもとにした人口推計によると、2019(令和元)年9月15日現在の総人口は、1億2617万人で、前年同月(1億2643万人)に比べ26万人減少した。一方、65歳以上の高齢者(以下、「高齢者」)人口は3588万人で、前年同月(3556万人)に比べ32万人増加し、過去最多となっている。総人口に占める高齢者人口の割合は28・4%となり、前年同月(28・1%)に比べ0・3ポイント増となり、過去最高となっている。また、年齢階級別にみると、いわゆる「団塊の世代」(1947年〜1949年生まれ)を含む70歳以上人口は2715万人(総人口の21・5%)で、前年同月に比べ0・8ポイント増、75歳以上人口は1848万人(同14・7%)で、同0・5ポイント増、80歳以上人口は1125万人(同8・9%)で、同0・2ポイント増となっている。 2018年の高齢者の就業者数は、15年連続で前年に比べ増加して862万人(前年同月807万人)となり、過去最多。同年の高齢者の就業率は、男性は33・2%、女性は17・4%となり、いずれも7年連続で前年に比べて上昇している。年齢階級別にみると、65〜69歳で46・6%(2017年は44・3%)、70〜74歳で30・2%(同27・2%)、75歳以上で9・8%(同9・0%)となっている。15歳以上の就業者総数に占める高齢就業者の割合は12・9%(前年12・4%)で、過去最高となっている。「生涯現役の日」交流フォーラム2019を開催 一般社団法人高齢者活躍支援協議会などの団体や企業、有識者らが中心となって2018年7月に設立した「生涯現役の日」制定・普及委員会が10月1日(火)、東京都内で「『生涯現役の日』交流フォーラム2019」を開催した。 10月1日は、1990年に国連総会で決議された「国際高齢者デー」であり、同委員会ではこの日を「個人が生涯にわたって自立をめざす記念日」=「生涯現役の日」として、新たな記念日に制定。この記念日の普及を通じて、企業や民間団体、行政や地域組織などによるさまざまな生涯現役社会づくりへの取組みを支援していきたいとしている。 本交流フォーラムは、生涯現役社会の実現に向けて各界の有識者が意見交換を行うと同時に、「生涯現役の日」の認知を広め、交流のネットワークを広げることを目的に開催された。 はじめに主催者代表挨拶があり、同委員会の清家篤議長(日本私立学校振興・共済事業団理事長、元・慶應義塾長)が「生涯現役社会」について、「高齢者の就労機会を拡大することだけではなく、社会活動も含めて、長い人生を豊かに、よりよく生きるための生き方の一つとして注目されているもの。それは、若者から高齢者まですべての世代が自立して活躍でき、何らかの役割を持って支え合う成熟した社会として推進することが求められていると思う」と語り、同委員会ではそうした社会を個人や企業、地域社会、行政などでつくっていきたいと考え、10月1日を「生涯現役の日」と定めたという背景などを語った。続いて行われた講演では、岡山県総そう社じゃ市の片岡聡そう一いち市長が「総社市障がい者千人雇用」をテーマに、同市で就労する障害者が2011年の180人から6年後には1000人超を達成した取組みと障害者雇用が進んでから市内に見られた変化などについて述べた。 その後の意見交換会では、生涯現役社会の実現に関わる四つの側面「健康寿命」、「職業寿命」、「社会活動寿命」、「資産寿命」に対応した五つのテーブル(職業寿命については「雇用」「就労」の二つのテーブルで実施)で、本フォーラムに参集した団体の代表者や有識者、民間企業の代表者らが各テーブル8人ほどのグループにわかれて討論を開始。高齢者の雇用や社会参加、健康、資産にかかわる現状や課題、提案、展望などが活発に語られ、また、それらを通して参加者同士が交流を深められるフォーラムとなった。五つのグループで行われた意見交換会

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