エルダー2020年1月号
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株式会社ジュピターテレコム(本社東京都千代田区)1 イコムェたか「Jジ:COM」のブランド名で知られる株式会社ジュピターテレコムは、1995(平成7)年に設立。ケーブルテレビ事業6サービスを提供するとともに、メディア事業17チャンネルの出資および運営を行う日本最大のケーブルテレビ局統括運営会社である。インターネット、固定電話、モバイル、電力、ホームIоTサービスにも力を入れており、各サービスの総合力により、顧客の幅広いニーズに応えながら、新時代を見据えた新たなサービスの創造を目ざしている。グループ社員は1万7000人。M&A※1をくり返し、短期間で加速度的に成長してきたことから、新卒入社より中途入社やM&Aによる合流社員が多く、価値観も経験値も異なる多様な人財が集まっている。定年年齢は60歳で、その後は、希望者全員をの社員は約130人。現状ではまだその割合は低いが、この先5年で400人にまで増えることが予想されている。同社は、2014年に「人財開発センター」を設置した。それまでは、部門ごとに社員教育を行っていたが、全社の人財育成策を統括するセクションを設けることで、自社の最大の財産である人財の成長を促進することにした。営業畑から抜擢された川村豊ゆ人事本部人財開発部長が主導して、ダイバーシティ研修など新たな施策を仕掛けながら拡充を図ってきたが、なかでも大きかったのが、2016年、定年再雇用者ら10人の社内講師を任命し、全社員を対象に「企業理念研修」を開始したことだ。「2014年に業界第2位の会社と合併するにあたり、新たな企業理念を制定しました。これを背骨として一体感を持って事業を行っていくため、当社の歴史を知る人に学ぶ体制が必要と考えました」と川村部長は語る。拡充した結果、それまでは年間400回ほどだった研修の回数が、2016年には1600回にまで増加した。研修の機会が大幅に増えたことで育成の風土が生まれた一方で、研修の量と質を精査する必要が出てきた。また、一部に、学ぶことに受動的な社員も見受けられるようになったという。こですか?」とたずねられた。何の研修かと問うと、その社員は「わかりません」と答えたそうだ。「要は、学びたいから来ているのではなく、そのほかの階層別研修も内製化を進めながらあるとき川村部長は、社員に「研修会場はど全社的な人財育成強化を目ざし「人財開発センター」を設置主体的な学びをうながす社内大学を設立定年再雇用者を学部長や講師に起用定年再雇用者が社内大学の学部長や講師となり熱意をもって後進を育てる好循環を実現特集ベテラン社員は後進育成の主役!※1 M&A……企業の合併(Mergers)や買収(Acquisition)のこと65歳まで嘱託として再雇用している。60歳以上11エルダー企業事例

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