エルダー2020年1月号
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から数カ月たった人や時短社員、定年が近づいてきた人などを優先しながら定期面談を進めている。また、希望者が自分から面談を申し込むこともできる。さらに、育児、介護、今後のキャリアなどのテーマごとに、社員同士をつなぐ「つながるワークショップ」も始めた。これらのテーマは、キャリアデザイン学部の講座にもあるので、ユニバーシティで講演を聴いたり、アドバイザーと一対一の面談をしたり、ワークショップで同じ境遇の社員と意見交換したりと、多面的にサポートを受けることができる。人事本部人財開発部担当部長の岩本郁い子こさん(64歳)は、キャリアデザイン学部長として、同学部のプログラムの企画を考えたり、講師として自ら登壇するなど、多忙な日々を送っている。総合学部の戦略思考研修やキャリアパス研修の講師も務め、キャリアアドバイザーも兼務している。新卒で株式会社ダンロップスポーツエンタープライズに入社した岩本さんは、国内外のプロゴルフトーナメントの企画・運営などにたずさわるなかで、日本にゴルフ専門チャンネルをつくりたいという思いを持った。そして41歳のとき、日本唯一のゴルフ専門テレビ局「ジュピターゴルフネットワーク」の立上げにたずさわり、当初は出向として、後に転籍して社長を7年務めた後、55歳で親会社である同社のプロモーション本部に異動。そこでも新事業の立上げを担当するなど、現場の第一線で活躍してきた。そして、定年を機に人財育成にかかわるようになった。「定年を迎えるにあたり、『私が後輩たちの役に立てることは何だろう?』と考え、頭に浮かんだのがダイバーシティ推進でした。『後輩の女性たちが働きやすい環境をつくりたい』と定年前のキャリア面談で話したところ、人事部に配属され、川村さんと2人で延べ何千人も対象にダイバーシティ研修を行ってきました。そのうちにキャリア研修なども担当するようになり、ユニバーシティの設立にあたって学部長就任の打診を受けました」と、岩本さんは振り返る。川村部長が「岩本さんの熱量を後進に伝える仕組みができないかと考えたのが、ユニバーシティの学部を構想した始まりです」というように、女性がキャリアを築くのがむずかしい時代から活躍してきた岩本さんは、同社の女性たちの憧れの存在でもあり、まさに学部長にうってつけの人財だ。「私はゼロから事業を立ち上げた経験が多いのですが、会社が大きくなると、いわれたことしかしない社員が増えがちです。自ら考え、学び、行動する社員が増えていかないと、絶対にいい会社にはなりません。後輩たちに活き活きと仕事を楽しんでほしいという思いでお手伝い「後輩たちに活き活きと働いてほしい」という思いが原動力人事本部人財開発部の岩本郁子担当部長(キャリアデザイン学部長)と川村豊部長く13

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