エルダー2020年1月号
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企業が期待すること階級別労働力人口の推移」(図表1)について、と、2016年には、44歳以下の労働力人口は全体の48・6%となっています(2018年は人に1人以上が45歳以上の中高年であることが日本の現状です。ですから、高齢者の就業について考えるとき、シニア予備軍を含めた45歳以上の層の活躍を、日本の雇用慣行のなかでどのように実現していくか、このことが大きな問題となっているのです。では、働いている人たちはどこにいるのかをみると、高齢者の場合、1〜29人規模の企業に多く、30〜499人の中小・中堅になるとその比率が落ちて、500人以上の大企業になるとさらに減っていく。すなわち、高齢者の就業の傾向の一つとして、規模が小さいところで働いているということです。第2、第3のキャリアは、最初のキャリアより規模が小さい会社で、それまでと異なった就業環境で働いている、という傾向にあることがわかります。国税庁「民間給与実態統計調査」(2018年)によると、民間企業の通年勤務者の平均年齢が年前の2016年でしたから、2年間で0・4歳上がっています。だけを使って会社を経営していこう、あるいは社会を動かしていこうということは、極めて無理のある考え方であるか、もしくは一部の恵まれた企業以外にはむずかしい、といった実態が垣間見えます。000人以上の事業所で働いている人の平均年齢は43・5歳。事業所規模が小さくなるにしたがって、この数字はどんどん上がり、4人以下の零細事業所では55・3歳になっています。す。高齢者の採用でけている事例が多く見受けられます。では、55歳以上の人が転職をしようとする場合、企業は何を期待して採用しているのでしょうか。によると、例えば、管理職の人たちが転職する場合、採用する企業は「経営幹部の確保」を採用理由のトップに挙げています。2番目の理由は、「中間管理職の確保」。3番目は、「高い技能・技術・ノウハウの活用」となっています。すなこのような状況ですので、日本で若い人たち国税庁の上記調査の結果によると、従業員5このような状況が日本の企業における実態で大企業や中堅企業では、55歳で役職定年を設労働政策研究・研修機構の調査結果(図表2)1,2971,3931,5971,4381,261699昭和55(1980)73360(1985)15~24歳1,6161,6171,3921,4181,3611,6141,3781,2961,3771,4131,2251,3271,5081,5031,480834平成2(1990)8867761126351762218(1995)(2000)25~34歳(2005)(2006)35~44歳6,7662292654266666,3841611993725606,6661922534215936,6512472574657766,6642532684478201,3471,3331,3321,3431,3331,4561,4911,5231,5421,5691,4291,3941,3641,3291,2916071958920565215442252523(2007)(2009)(2008)45~54歳(2011)(2010)55~59歳6,6842622874868126,6742682985337696,6502663135657226,6322733126056866,5962882966376551,3461,3801,4061,4391,5771,5821,5761,5581,2611,2391,2141,19151424518255182651627(2012)(2013)60~64歳(2014)(2015)6,5652993106276296,5933073456026206,6093223775756206,62533441355661765~69歳1,4821,5261,5671,5271,4971,4691,1801,1671,1605392858330(2018)(年)54529(2016)(2017)70歳以上6,6733364505416196,7203674545366286,830425450539636出典:総務省「労働力調査」(注1)「労働力人口」とは、15歳以上人口のうち、就業者と完全失業者を合わせたものをいう。(注2)平成23年は岩手県、宮城県及び福島県において調査実施が一時困難となったため、補完的に推計した値を用いている。労働力人口(万人)8,0005,9631371632884886,0005,6501141652483851,2084,0002,000046・4歳となっています。46歳に達したのは247・0%)。つまり、働いている人のうちの244歳以下と45歳以上とに境界線を引いてみる23図表1 年齢階級別労働力人口の推移

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