エルダー2020年1月号
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高齢従業員の能力、技術、経験を活かし戦力化するためのさまざまな工夫働きたい」という、その魅力をつくるのも社長の役割ということですね。内田 次に、高齢従業員の能力、技術、経験を活かし、引き続き戦力として働いてもらうための工夫についてお話しいただきたいと思います。「五色会」の佐藤さんからお願いします。医療、介護の分野もどんどん変化してい佐藤 ますので、スタッフが前進しながら、その変化についていく必要があります。高齢になると変化に対して、うまく対応できないという人もいますが、「高齢者だから変わらなくていい」と思うのではなく、私はむしろ「一緒に変わりましょう」と積極的に声をかけます。高齢スタッフが変わっていくと、若い人の手本になり、若い人も変化についていこうとする企業風土が生まれます。当法人は設立40周年を超えますが、創業時からのスタッフもいます。経営者や経営方針が変わっても辞めずに組織を支えてくれた、本当に頼りになるスタッフです。そういう人たちの存在があるからこそ、ほかの高齢スタッフにも働きやすいと感じられるような職場になっているように思います。また、能力開発にも力を入れており、自分の能力開発のためであれば、社外のセミナーや研修に参加できる制度をつくりました。高齢スタッフにもどんどん参加してくださいとうながしています。内田 ありがとうございます。自分から変わろうという職員をサポートする仕組みができているのですね。そういう仕組みを設けることが必要であろうと私も思います。では、「建設相互測地社」の安孫子さんはいかがでしょうか。安孫子 えるものだと、長年そういう育成をしてきましたが、若い人たちには受け入れられない部分が当社では、仕事は先輩の背中を見て覚出てきて、改善するためにも、高齢者と若手とがペアを組んで仕事をし、蓄えてきた技術や能力を次世代に渡していく取組みを始めました。   ない時代ですが、電気設備工事業の現場では、すが、ドローンなど新たな技術については、若手のほうが理解が早く、活用する術もすぐに思いつく柔軟さがあります。そうしたところでは、一方通行ではなく、双方向で影響を与え合う、そんなペアになることが大事だと思います。内田 わることもある、ペア就労により、相互作用で、両方に効果があるということですね。ただその場合、高齢者が、教わる立場でもあることを自覚することが重要ですね。安孫子 ないと、なかなかむずかしいと思います。内田 の小澤さん、お願いします。小澤 まだまだ“人”が非常に大事な存在です。現場では「65歳以上の社員には高所作業をさせない」など、いろいろな制約を設けていますが、高齢であってもできることは多々ありますし、その人がいることによって、周りの人のモチベーションを向上させることもできるはずです。技年配者が若手に教えることのほうが多いので高齢者が教えるだけの存在ではなく、教そうですね。きちんと自覚したうえでありがとうございます。では、「松川電氣」いまはパソコンなどのIT機器が欠かせ佐藤 仁氏(医療法人社団五色会 理事長)29

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