エルダー2020年1月号
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長く働き続けるために必要な工夫やモチベーションの維持・向上について術をもっと勉強したいという人であれば、ともに学ぶなかで、若手にさらに刺激を与えられる存在となります。当社では、年の初めに全社員と面接を行っており、面談用シートには、自分の5年後について書いてもらうのですが、73歳の従業員にも書いてもらっています。すると、いつまでも勉強することを忘れていないんですね。言葉にするのがむずかしいのですが、“魂で仕事をする”ということを続けている。だからこそ、いろいろなメッセージを若い人に与えてくれる。そういう従業員がいることをたいへん誇りに思っています。いま、世の中は数字だけを追う時代になってきていますが、人にはいろいろな可能性があるはずです。社員一人ひとりの成長が会社の成長につながることを考え、そうした信念を貫くことが、社員を幸せにする道ではないでしょうか。答えになっているかわかりませんが、そう考えて取り組んでいます。内田 個人の成長と、会社の成長の両方を、短期的ではなく長期的に図る努力をされている、そのための経営者の信念が必要であるといったお話と理解しました。ありがとうございます。内田 高齢者が長く働き続けるために、健康問題や職場環境の改善などについて、どのような工夫をされていますか。佐藤 長く勤め続けてもらうためには、仕事にやりがいを持てることが大事なのだと思います。ただ、「やりがいを持ってください」と頼んでも持ってもらえるものではありませんので、企業側が、やりがいを持てる環境を提供する必要があります。働いていれば、だれもが自分のがんばりを認めてほしい、評価してほしいという思いがあるはずです。そこで、全職員が所属長と個別ミーティングを行い、職員ががんばったこと、あるいは考えたことを話してもらう機会をつくっています。さらに所属長と私でミーティングを行い、各職員のがんばりを伝えてもらいます。こうしたスタッフ一人ひとりのメッセージを受け取る場を設け、地道に続けることが、多くのスタッフが会社を好きになるきっかけの一つになるのではないか、そのように考えています。お互いに助け合いながら、一人ひとりが自立していくために、今後も支えていきたいと思います。内田 時に、そういうコミュニケーションの場が頻繁にあるからこそ、会社からの要望も伝えられるし、職員側も素直に受け入れることができる、ということもあるんでしょうね。    佐藤 安孫子 切と考え、全従業員に人間ドックを受診させるとともに、再検査などは必ず受けるようにうながすなど、疾病の早期予防などに努めています。員であるといった社風があります。高校卒業後に入社し、結婚、出産、子育てをしながら勤め続けてくれている女性社員がおり、勤続30年を当社の社風は、自立、協調、相互依存です。職員のがんばりを知ることができると同それが理想ではありますよね。長く働き続けるためには健康管理が大また、当社におきましても、社員は家族の一安孫子健一氏(株式会社建設相互測地社 代表取締役)30

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