エルダー2020年1月号
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高齢者雇用に取り組む企業へのメッセージ迎えようとしています。家庭的な雰囲気のなかで仕事ができることが大きな力になっているのだろうと思います。今後もこの雰囲気を大切にして、お互いを尊重し合うことを基本とし、ともに生きていく、そういった企業づくりをしていきたいと思っているところです。内田 ありがとうございます。高齢になると、どうしても健康面のリスクを持つ人たちが増えてきますから、早期の予防保全が重要になってきますね。小澤 当社では、「3つの健康」を重視しています。「身体の健康」、「経済の健康」、そして「心の健康」です。身体の健康では、従業員だけでなく、その家族にも人間ドックを受けてもらっています。経済の健康では、給料を下げず、決算賞与は28期連続で支給しています。心の健康では、「人の役に立つこと」ということで、長年募金活動などを続けています。こうした地域貢献活動を続けることで、地域のみなさまに恩返しができ、困ったとき頼りにされる企業になることで、従業員のモチベーションの向上にもつながります。私は企業は奉仕であると思っていますので、そうしたことを従業員とともに勉強しながら続けていきたいですね。経営者としても、まだまだやれることがあるのではないかと考えています。内田 最後に、これから高齢者雇用に取り組む会社や組織に向けて、各社のご経験をふまえ、メッセージをいただきたいと思います。佐藤 特に注意しているのは、高齢者の処遇を改善するにあたり、不平等を感じる職員がいる可能性もありますので、高齢者だけではなく、子育てや介護をしながら働いている職員など、さまざまな世代に配慮した取組みとすることが大切です。そしてもう一つ、企業が経済的に健康であり、経済的な余裕を人員の配置に影響させて、社員のみなさまが少し余裕を持ちながら助け合える環境をつくることが大事ではないかと感じています。安孫子 とっても働きやすい職場です。高齢従業員には、親の介護のため介護休暇制度を利用している人もいますが、繁忙期には仕事のやりくりに本人たちは悩みます。ですが、当社では年少者を含めて、同僚が事情を理解し、業務の遂行に協力してくれています。若手と高齢者がペアで仕事をすることにより、両者のコミュニケーションが強化され、組織の活性化につながったと感じています。小澤 員一人ひとりの状況や環境に適した働き方を考えていくことが大切ではないでしょうか。会社と従業員というせっかくの縁ですから、できるだけ長く一緒に働きたいという思いのなかでやってきました。これからも、年齢を問わず、一人ひとりの状況に応じていきたいと思います。内田 変有意義なお話をしていただきました。今日お越しいただいたみなさんの職場で、3社それぞれの取組みを参考に、実践していただければと思います。高齢者が働きやすい職場は、若手に高齢者だからということではなく、従業ありがとうございました。三社三様の大小澤邦比呂氏(松川電氣株式会社 代表取締役)   31

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