エルダー2020年1月号
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役に立てる喜びを感じてスポーツ指導者から放課後児童支援員に■■界の魅力発信、利用者への安心提供」など、広い範囲で能力を発揮できる職場環境の実現に向けて、65歳までの継続雇用制度の見直しなどをアドバイスし、実現しました。「塩満理事長の高齢者雇用への理解は深く、さまざまな検討をされ、斬新な取組みを実践されています」と黒木プランナー。塩満理事長は、人手不足だから高齢者を雇用するのではなく、「経験を積み重ねた人の、その力を貸していただく」という考え方から、12年ほど前より、「何時間でもよいので、掃除やちょっとしたことに手を貸してください」と、近隣の高齢の方々を対象に、短時間でできることを時給制で行ってもらう「サポーター」を募集。現在8人のサポーターがいて、清掃や駐車場の送迎時間の交通整理などを担当しています。また、他社を定年退職した人の採用活動も行っています。「『この仕事をしてください』と募集するのではなく、本人の仕事の経験などをお聞きし、『それならこういう仕事をお願いしたいのですが』と話をして、お互いに納得できたら働いていただいています」と塩満理事長。高齢者の雇用条件は一律ではなく、一人ひとりと話し合い、仕事内容や待遇、働き方を決めています。同法人で、前職などで積んだ経験を活かして、総合的なサポートや子どもたちの先生として活躍する、50代、60代の職員にお話を聞きました。甲斐隆■治■さん(67歳)は、2012年3月に延岡市役所を定年退職後、金融機関での勤務などを経て、65歳になった2017年に同法人に入職しました。金融機関に勤めていたときから塩満理事長とたびたび話す機会があり、塩満理事長は「いずれ、力を貸していただきたいと思っていた」と話します。甲斐さんも、「65歳を過ぎたら無理のない働き方をしたいと考えていたところ、『毎日でなくてもよいので手伝ってほしい』と塩満理事長にお声がけいただきました」と話します。現在は、かつての仕事経験を活かして、人権にかかわる教育や相談、社会福祉協議会との連絡調整、また、同法人の職員の相談にのっている。「いろいろなサポートをお願いしています。勤務時間は定めず、必要に応じて働いてもらっています」(塩満理事長)。甲斐さんは、「週30時間以上は勤務していますが、無理なく続けられています。塩満理事長は尊敬できる存在です。そういう職場で、経験が活かせる仕事ができることに喜びとやりがいを感じています。これからも役に立ちたいです」と朗らかに話してくれました。「若い職員に負けない体力がある、ハツラツとした人財です」と塩満理事長が紹介する石黒スミ子さん(69歳)は、エアロビクスの講師歴35年。スポーツクラブに定年まで勤めた後、2014年に同法人に入職しました。現在、つくしんぼ児童クラブで週5日、13時から18時まで、放課後児童支援員として働いています。「小学1〜4年生が放課後にやってくる施設で、子どもたちが安心して過ごせる場を提供することが主な仕事です。騒いだり、いたずらをするのが子どもですから、うまく対応しながら、自然にあつくしんぼ保育園で職員の相談にのる甲斐隆治さん2020.136

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