エルダー2020年1月号
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豊富なキャリアと経験を持つシニア人材が目ざす生き方・働き方を実現するステージに細川 当社は1976(昭和51)年に、ワーキングマザーなど女性の社会進出を応援しようとスタートし、その後は、年齢、性別に関係なく「誰もが自由に好きな仕事を選択し、一人ひとりの人生に合わせた働き方ができる社会を築く」ことを企業理念に掲げ、活動してきました。現在、少子化による人手不足が問題になっていますが、その一方で高齢者が増えていくというアンバランスな状況でもあります。そうした課題の解決のために、生涯現役という観点から、豊富なキャリアと経験を持つシニア層の方々が志す生き方・働き方を実現するためのステージをつくっていきたい、というのが目的です。採用にあたっては定年を迎えた人、これから定年を迎える人で、年齢に関係なく、いままでの経験を活かして新たなキャリアの構築を目ざしたいという人を対象に2019年の1月に募集を開始しました。その結果、1000人を超える方から問合せがあり、書類審査と面接を経て80人が入社しました。男女比は8割強が男性で女性は11人です。年齢は60〜65歳が過半数を超え、70代の人もいます。細川 「地方創生」は、パソナグループが以前から取り組んでいる地方創生事業の地域活性コンサルタントやサービスクルーとして、イベント企画や施設運営業務に従事してもらっています。現在、特に力を入れているのが兵庫県淡路島での「地方創生」です。従来の企業誘致ではなく、〝人材誘致〟という形で人が集まる仕組みづくりを進めており、淡路島で活躍したい人を応援しています。 「ベンチャー」は、シニアであっても起業したいという志のある人を後押しするため、独立起業に向けたプランの策定や事業・収支計画などについて、専門コンサルタントの支援を受けながら起業を目ざします。 「専門エキスパート」は営業、財務、人事、経営企画、知財など、これまでつちかった専門スキルを武器にパソナグループで活躍してもらいます。   が、実は途中から、どの分野でもよいのでチャレンジしたい方も採用する方向に転換しました。配属先は未定のため新卒採用と同様に「総合コース」と名づけ、約20人を採用しました。細川 験したことがない方は書類審査を通らないことが多くあります。でも応募書類をじっくり読むと、海外の現地法人で総合的なマネジメントの経験を持つ人がいるなど、経歴と経験もすばらしく、自分の経験を新たな分野で試当初はこの三つのコースで募集したのです職種で募集すると、その仕事を長年経―貴社では2019(平成31)年4月から、他社で定年退職した人材を新入社員として採用する「エルダーシャイン」制度を導入されました。自社の社員を定年後も引き続き再雇用する会社は多いですが、あえて外部から採用しようと思われたのはなぜでしょうか。―エルダーシャインは、「地方創生」、「ベンチャー」、「専門エキスパート」の三つのコースに分けて採用しています。それぞれどのような仕事をになうのですか。のですか。―なぜ、あえてそのようなコースを設けた株式会社パソナグループ HR・アドミ本部グループHR部長細川明子さん2020.12

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