エルダー2020年1月号
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ききまストを描いたり、相談に乗ったり、コピーライトを考えたり、というような、それぞれの人が得意なことが出品されています。ワークショップの冒頭では、ココナラ代表取締役の南章あ行ゆさんからココナラとはどういうサービスか解説していただきました。それから、4人ほどのグループに分かれて一緒に得意なことを出品する作業に取り組んでいただきました。参加者の方々はグループワークを始めてすぐのうちは、「私には出品できるような得意なことはないですよ」と口々にいっていました。しかし、グループワークのなかで、それぞれのこれまでの人生経験を語っていただいて、それを聴いたほかのグループメンバーがお互いの出品できそうな経験を提案し合う形で、どんどん得意なことが出てくるようになりました。「仕事を辞めずに介護をする方法」や「行政に提出する文書の添削」、さらには「日中合弁会社の人事の相談」まで、参加してくださった世代の方々特有の、それぞれの人生経験に基づくスキルの出品案が集まりました。写真1はワークショップ参加者のなかで、インターネット上の「ココナラ」に得意なことを出品した第1号となった方のその瞬間の様子です。出品に必要なことを入力し終わって、出品ボタンをクリックすると全世界に公開されてしまうことにしばらくためらいながらも、思い切ってクリックしてしまった、というその瞬間の興奮冷めやらぬ表情です。身近にこのようなワークショップがシニア向けに開催されるようになっていくことで、シェアリングエコノミーへのシニア層の参加が大きく前進することになるでしょう。ア層とシェアリングエコノミーサービスとの接点をつくる仕組みづくりにも取り組んでいます。GBERの地域での普及促進を考えると、まずGBERの存在を知ってもらわなければなりませんし、使い方を学ぶ機会を提供できなくてはなりません。毎回大学から研究開発スタッフが地域に出向いて講習会を開催するのは持続可能な形ではありません。と連携した仕組みづくりを始めています。一般財団法人ニューメディア開発協会は「シニア情報生活アドバイザー」という、全国のシニア向けIT教室で講師として活躍できる資格認定制度と、そのための教材やカリキュラムの作成を行っています。現在、熊本県でのGBERの社会実装においては、熊本県におけるシニア向けIT教室のネットワークである熊本シニアネットとの連携を皮切りに、ニューメディア開発協会との共同事業でGBERの全国展開を見すえて教材とカリキュラムの制作と講習会の開催を進めています。熊本県でのモデルができあがることで、今後、他地域においてGBERを活用私はGBERの研究開発の一環として、シニそこで、地域に数あた多あるシニア向けIT教室地域のシニアとシェアリングエコノミーを結ぶための仕組みづくり写真1 ココナラワークショップでの出品の様子40

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