エルダー2020年1月号
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(聞き手・文/溝上憲文撮影/中岡泰博)エルダーシャインの活躍を通して同年代や若手の化学反応に期待例えば、当社は地方創生事業の一環として、西日本最大級の道の駅「丹■後■王国」(京都府京丹後市)を運営し、クラフトビールを生産しています。そこで、元ビール会社の営業職だった方が、首都圏での販路開拓のミッションを担当し、すでに有名百貨店やスーパーなどに販売網を広げるなど実績を上げています。あるいは元自動車販売会社の役員だった方は、現場から離れて久しいですが、気持ちをリセットし、当社の人材サービスの新規開拓営業でがんばっています。元の会社に営業に行くと、かつての部下の方にもていねいな姿勢で応対するので、一緒に行った若い社員も「自分たちもがんばらなければ」と思うなど、よい刺激を与えているようです。エルダーシャインのみなさんを対象に、入社から半年後にアンケート調査を行ったのですが、いまの仕事に「満足している」と答えた人が9割を超えています。業務だけではなく、職場環境の改善の面でも貢献してくれています。社内トイレの洗面スペースで、手を洗うと水が飛び散ることに対してエルダーシャインが発案し「ワイパー隊」をつくり、蛇口近くに水を拭き取る布巾をセットする活動もしています。自ら活動す ■       るなど、背中を見せて若い社員に教える姿勢に私自身も教わることが多いです。細川 う形になりますが、定年到達者の9割超の人が継続して働いています。再雇用の年齢の上限は65歳ですが、それ以降も働く希望がある人は会社と本人の個別の話合いで決めています。最年長は現役のキャリアアドバイザーとして働く人など、83歳の社員が2人います。定年以降の仕事は本人の希望をふまえて決めますが、専門性を活かして従来の職場で継続して働く人、マネジメント職をそのまま継続する人もいます。逆にマネジメントの地位を後進に譲り、違う分野へのチャレンジを希望し、グループ会社で働いている人もいます。定年は60歳で、それ以降は再雇用とい細川 の募集を開始します。今後も一人ひとりのエルダーシャインが、健康で働くことが楽しいと思える環境づくりをしていきたいと思っています。は、私たちの使命だと思っています。今後はパソナグループで活躍してもらう一方で、パソナグループ以外の企業でも活躍する場所を提供していきたいですね。長年同じ企業で仕事をしてきた人が違う企業で働くことによって、同年代の社員や若手との間でよい化学反応も起きます。そのことを積極的に発信し、理解ある企業と協力して、雇用の場を広げていきたいと思っています。間もなく来年の入社に向けて第2期目同時に、シニアの雇用を拡大していくことまだ半年ですが、成功事例も出ています。―エルダーシャイン以外の60歳以降の高齢者雇用制度は、どんな仕組みですか。―エルダーシャインは今後も継続して募集されるのですか。今後の高齢者雇用の方向性についてお聞かせください。株式会社パソナグループ HR・アドミ本部グループHR部長細川明子さん2020.14

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