エルダー2020年1月号
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http://www.s-zoennet/佐藤造園TEL:03(3728)2881(撮影・福田栄夫/取材・朝倉まつり)てきれいにします」「庭は、できたときに完成ではなく、管理を続けて理想に近づけていきます」一戸建てだけでなく、最近はマンションの植栽を管理する仕事も多いという佐藤さん。美観だけでなく、安全面からも樹木の手入れは大事だと話す。「古い葉っぱをつまんで取る、"三葉透かし"により、あらかじめ落ちる葉を取っておくことで、掃除や管理が楽になるのです。台風などの強い風でも、風が枝の間を抜ければ、枝は折れません」全国各地で、こうした伝統的な江戸の剪定技を伝えることも多い佐藤さん。行った先で、その土地の技を知ることも楽しみだという。もっと先代に教わりたかったという佐藤さんは、息子の龍介さんを園芸を学べる高校に通わせた。いまでは職歴20年の植木職人だ。佐藤さんも若い人に教える機会を大切にしており、東京都立園芸高校の技術指導講師として教えている。「若い人たちと一緒にいると、物の考え方が違うから、参考になります。ガーデニングのコンクール作品などを見て一緒に話しても感じ方が違う。基本は同じなのでそこは崩しませんが、その感じ方をアレンジに入れると独創性が生まれます」同じ基礎や土台があるからこそ、それぞれの個性が現れる。各地域の特徴を知ったり、別世代とのコミュニケーションの機会が、よい刺激になるという。頭と体の両方を動かして学び続け、さらに知識を豊かにしていく匠の生き方に定年はない。学び続け、知識を豊かにそれを継続できるのが匠.それぞれに個性がある、自作の「マイ手ぼうき」剪定しつつの細かな掃除も大事な仕事一般的な「四つ目垣」の結び目。シュロ縄を使いギュッと固く結ぶ美しく無駄のない動きは長年の経験から。多様な結び方を使い分ける2年目の宮田さん(左)、佐藤博さんと龍介さん(中央)、職人歴20年の小西さん(右)バードバス(鳥の水浴び場)のある庭。メジロ、スズメなどが寄る63エルダー

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