エルダー2020年2月号
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特集1会社を牽引するベテランプレイヤーエルダー11ダイバーシティ経営推進としての﹁アクティブシニア採用﹂第1号福岡県福岡市を拠点に研究開発型WEBコンサルティング事業を展開する、株式会社ペンシル。スタッフ数140人の小所帯ながら、WEBサイトの売上拡大を図るコンサルティングなどが高い評価を得て、多数の大手企業をクライアントに持つ。3年前に入社した金森洋介さん(65歳)は、大手電機メーカーを定年まで勤め上げた後、関連会社での継続勤務を経て同社に転職した。前職では、営業、SE、開発、企画などさまざまな業務を経験。東京で長く勤めた後、地元・福岡に戻り、ある大きなプロジェクトに関わっていたが、そのプロジェクトが東京に移ることになった。家族の介護のために福岡を離れられない金森さんは転職を決意し、2016(平成28)年9月、62歳のときにハローワークで紹介されたペンシルに入社した。同社の「アクティブシニア採用※1」第1号である。同社の定年は60歳で、その後は、年齢の上限なく継続雇用する。金森さんが入社したときは65歳が上限だったが、アクティブシニア採用を進める過程で上限を撤廃した。現在、60~64歳が2人、65歳以上が3人の高齢社員が活躍中。最高齢は72歳である。シニアの採用を始めたきっかけは、「ダイバーシティ経営」の推進だった。佐さ伯えき史し織おりパフォーマンスマネイジメント部D&I推進室室長は、「当社は1995年の創業時から、年齢や性別にかかわらず、『この人と会社を築きたい』と思った人材を採用してきました。その結果、従業員の半数を女性が占めています。そして、創業20周年を機に、高齢者、障害者、外国籍の方など、これまで以上に多様な人材に活躍していただきたいと考えました」と説明する。同社のダイバーシティの取組みは社外からも高く評価され、経済産業省より「平成29年度 新・ダイバーシティ経営企業100選」に選定されている。経営理念に共感して入社シニアの視点を活かす新事業を提案金森さんが同社に関心を持ったのは、求人票に「高齢者歓迎」と書かれていたことや、前職との業種的なつながり以外に、大きな理由が二つある。一つは福岡近郊で働けること。もう一つは経営理念への共感だ。「知人にペンシルを知っている人がいて、面白い会社だと聞きました。また、以前働いていた会社と経営理念がよく似ており、そこに共感しました」という。企業事例 ❶ 新規事業を自ら提案し大活躍!何歳になってもチャレンジする気持ちが大事株式会社ペンシル(福岡県福岡市)SFОディレクター 金かな森もり洋介さん※1 アクティブシニア採用…… 自分なりの価値観を持ち、他社で定年退職後にも仕事や趣味に意欲的で、社会的に対してもアクティブに行動するシニアを積極的に採用する制度

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