エルダー2020年2月号
14/68

2020.212実際に入社した感想も、「アカデミックであり、オープンな社風。個人個人の能力を発揮できる環境があります。時代の先端をになうITの分野でコンサルティングを行う企業ですので、新しいものを創造していく面白さがあります」と、やりがいを感じている。金森さんの労働時間は、1日8時間・週4日勤務。1日の労働時間はフルタイムだが、週1日は家族の介護に充てられるようにした。同社は主婦やパートタイマーも多く、以前から、介護や通院など個々の事情に応じた柔軟な勤務を認めてきた。また、会社との話合いにより、随時、働き方を見直すことができる。働く場所にも自由度があり、テレビ会議システムを利用して壱いきの岐島しま(長崎県)で在宅で働いている人もいる。金森さんの業務の一つは、会社の主力事業であるITコンサルティングの補佐業務。資料作成などを受け持ち、社内の若いコンサルタントたちを支えている。そしてもう一つが、金森さんの発案で始まった「SFО(シニア・フレンドリー・オプティマイゼーション)」という新事業。シニアの視点からWEBサイトの「使いにくい」や「分かりにくい」を診断し、クライアントに改善策を提案するサービスだ。「最初の半年ほどは学びながら仕事をしていましたが、そのなかで、当社のクライアントに、健康食品やサプリメントなどシニアのユーザーが多くを占めているWEB通販の会社が多いことに気づきました。当時の従業員の平均年齢は35~36歳(現在は38歳)でしたので、クライアントの顧客と同じシニアの視点が役に立つと考えました」と金森さんはいう。同社には「とにかくやってみよう。やってダメだったら見直せばいい」と考える風土があり、金森さんの提案も積極的に受け入れられた。2018年2月に事業化し、翌年3月には、金森さんを中心に「SFОラボ」を立ち上げた。5人のシニアが所属し、全国に200人のシニアモニターを抱える。金森さんは、ラボのメンバーをまとめつつ、自社のコンサルタントがクライアントにSFО的な視点で提案ができるようにするため、社内セミナーなども行っている。金森さんは、従業員に幅広い学びの場を提供する「おとな塾」という勉強会で、マネジメント研修などの講師も担当している。前職で大勢の部下をまとめてきた金森さんの話は、若いマネージャーたちにも大いに響き、「金森さんの話を聴けてよかった」という声が多い。チャレンジする気持ちで経営にも社会にも貢献していくいまでこそシニアのスタッフも増えてきたが、金森さんが入社した当初は、周りは若いメンバーばかり。そのなかで金森さんが心がけたのは、「上から目線にならないこと」。「この業界では私は素人です。プロとして仕事をしている人たちから知識を早く吸収し、役に立ちたいと金森洋介さん(左)と、パフォーマンスマネイジメント部D&I推進室の佐伯史織室長

元のページ  ../index.html#14

このブックを見る