エルダー2020年2月号
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2020.214地域との「共生」を目ざす広告代理店営業の主力を高齢社員がになう株式会社宣通は、1990(平成2)年2月に創業し、2020(令和2)年に創業30周年を迎える地域密着型の広告代理店だ。地域との「共生」をコンセプトに、地域に根ざした企業向けの広告媒体を独自に開発して成長。この間、中部地区から全国へとマーケットを拡げ、規模を拡大している。同社では、地方紙や全国紙の地方版に掲載する連合(名刺)広告のほか、公共施設などへ広告付きAEDやデジタルサイネージ※の設置、各自治体内の広告を取りあつかっている。また、医療業界に特化した広告を取りあつかう部署もある。同社はこれらの広告の営業を、電話で行っている。企画に該当する地域の企業・団体や病院などに営業の電話をかけて商品をアピールし、契約を取りつけるが、その主力となるのが、50~70代の高齢社員が主力をになう内勤の営業部隊だ。「25年ほど前に電話営業のスタイルを取り入れることを決めました。『テレフォンアポイントなら女性がよいのでは』という感覚で、60歳くらいの主婦を数人採用したところ、すぐに成果が出たので、高齢者の採用を積極的に行ってきた結果、気づけば契約社員はほぼ全員がシニアになっていました」と山下正まさ義よし営業1部部長は経緯を説明する。61人いる社員のうち、41人が契約社員で、そのうち60~64歳は22人、65~69歳が14人、70歳以上が5人で男女比は同じだ。以前は求人の年齢上限を68歳にしていたが、制限の必要性を感じなかったことから、「社員の平均年齢66歳」と募集要項の記載を変えた。なお、正社員は20~30代が中心と非常に若く、企画のほか、契約社員が電話営業で販売した契約の締結を担当するなど、役割の棲すみ分けがなされている。同社の門を叩く高齢者は、女性の場合は子育てを終えた主婦が多く、男性は営業経験者もい企業事例 ❷ 70代にして成績トップの営業マン残業ゼロのメリハリのある働き方で会社を牽引株式会社宣せん通つう(愛知県名古屋市)営業 影山義昭さん※ デジタルサイネージ…… 液晶ディスプレイやLEDなどの映像表示装置を使い映像や文字を表示する情報・広告媒体山下正義部長

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