エルダー2020年2月号
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特集2エルダー21人生100年時代 高齢社員戦力化へのアプローチSOMPOホールディングスグループは、損害保険ジャパン日本興亜を中核に、国内生保、国内損保、海外保険、介護・ヘルスケアの4事業を展開しています。損保ジャパン日本興亜の社員数は約2万6000人。女性の比率が6割を超えており、女性活躍推進が当社の重要な経営課題の一つになっています。私は入社から32年間、営業や営業推進部門などの現場を経験し、55歳から人事部に所属、60歳定年まではマネージャーとして、その後2018(平成30)年3月末までの5年間は、再雇用嘱託として勤務しました。さらに2018年4月、70歳までの再雇用延長制度を導入し、私はその一期生として、本年度で再雇用延長制度2年目を迎えました。現在67歳です。60歳までは管理職に就き、定年後は同じグループで担当者となり、現在も同じ仕事をしています。私が所属するライフデザインチームは、中高年社員の活躍推進を担当する部署です。中高年社員の活躍推進策は現在、人事制度、職務開発、研修の3本柱で構成されています。「人事制度」では、社外での活躍の場を提供する社外転進制度と、定年退職後満65歳年度末までの再雇用制度を設けています。再雇用制度の賃金形態には、月給制と時給制があります。さらに、再雇用満了者の一部を対象にした再雇用延長制度もつくり、加えて2019年4月より、再雇用者を対象に短日・短時間勤務や副業の解禁もトライアルで始めました。また、従来から全社員を対象に推進している、テレワークやシフト勤務に、この短日・短時間勤務制度を組み合わせることで、さらに柔軟な働き方ができることを私自身がいま実感しています。2本目の柱の「職務開発」は、自己選択型の社内公募制度として「ジョブ・チャレンジ制度」があります。現在約500のポストの公募があり、そのうち再雇用者用のポストも少しずつ増えてきています。まだ道半ばではありますが、キャリア開発を自分で考え、自分で決めて進めていくための制度です。また、中高年者の経験・スキル・人脈を活用するためのポスト開拓にも取り組んでいます。3本目の柱の「研修」は、ワーク・ライフデザイン研修、キャリア開発G50研修、両立支援セミナー、能力開発支援などがあります(左表)。また、研修とリンクして、ワーク・ライフ応援デスクという、社員のキャリア自律を応援することを目的とした相談デスクも用意しました。この流れをセルフ・キャリアドック※につなげていきたいと考えています。人事制度、職務開発、研修を3本柱に中高年社員の活躍を推進損害保険ジャパン日本興亜株式会社                    立花一かず元もと                    人事部 ダイバーシティ推進グループ主査 ライフデザインチーム企業事例発表 1※セルフ・キャリアドック…… 企業がその人材育成ビジョン・方針に基づき、キャリアコンサルティング面談と多様なキャリア研修などと組み合わせて、体系的・定期的に実施することを通して、従業員の主体的なキャリア形成を促進・支援する総合的な取組みのこと研修・自己研鑽①ワーク・ライフ デザイン研修35~60歳対象、希望者応募型。2泊3日で、これからのワーク&ライフを考える。②キャリア開発 G50研修50代前半対象、全員参加。1日研修で、今後のセカンドキャリアを考える。③両立支援 セミナー「仕事と介護」・「仕事と健康」の両立を目ざして、自身のキャリア開発を考える。④能力開発支援自己研鑽や研修を通して一人ひとりの強みの発揮を目ざす。北海道会 場

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