エルダー2020年2月号
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特集2エルダー23人生100年時代 高齢社員戦力化へのアプローチ当社は、1964(昭和39)年、情報処理産業の黎れい明めい期に、「いつでもどこでもだれもが自由に」コンピューターの恩恵を受けることができる、コンピューター・ユーティリティ社会の実現を目ざしてスタートしました。17人で歩み始めた社員数は、いまでは3700人を超え、その約8割がエンジニアの技術者集団となっています。事業領域も当初は情報処理サービスが主体でしたが、ICTコンサルティング、ソフトウエア開発、システムインテグレーション、システム運用・保守など幅広くなっています。事業拠点は富山、東京、大阪、名古屋ほか全国20拠点。海外にも武ぶ漢かん(中国)、ホーチミン(ベトナム)、シリコンバレーの3拠点があります。少子高齢化による国内の生産年齢人口の減少は著しく、今後10年で働き手が大きく減るといわれています。また、IoT・AIなどによる技術の劇的な変化のなか、生産のにない手を確保するためには、シニアの活躍を推進する環境整備が不可欠です。そこで当社では、現行の60歳定年後の再雇用制度の処遇改善とキャリア支援策について整備し、早期に導入することを喫きっ緊きんの課題ととらえ取り組んでいます。役職定年(55歳)は設けていますが、今年度の人事制度改革により、役職定年者の給与を一律で減給するそれまでの制度を廃止しました。しかし、60歳以降の現行の再雇用制度は、単年度契約、かつ賃金はそれまでの資格給から一定比率を減額した固定給としており、継続雇用の法律の義務化に対応することを目的とした制度になっていることは否めません。再雇用者にとって、モチベーションが上がりにくい状況になっています。そこで、シニア全体に対して画一的な施策で活躍をうながすのではなく、メリハリをつけて対応することが必須と考え、シニア人材を大きくみるとA群(当社を牽引していってほしい人材)、B群(プレイヤーとして当社を支え続けてほしい人材)、C群(当社への帰属意識が希薄になってしまった人材)とがあり、それぞれに適した施策を検討していくことが、会社と社員の双方にとって有益であると考え、検討を進めています。また、キャリア支援がたいへん重要であると考え、スキル転換・学び直しのための研修やライフプランセミナー、キャリア相談の機会をつくり、シニア社員が自らの能力や専門性に応じて働くことができ、業績貢献の実感を持てるよう具体化していく、こうした方針に基づく施策の導入を検討しています。現行の再雇用制度の処遇改善とキャリア支援策の導入を検討株式会社インテック 人事本部 働き方改革推進室長 兼 健康管理室長 増田 忍企業事例発表 3社員のマインドを下支えするキャリアデザイン研修1. キャリア自律動機づけのためのキャリア研修(49~50歳)2. スキル転換・学び直しに向かうためのキャリア研修(53~54歳)3. ライフプランセミナー(55歳)4. 定年退職者説明会(57歳)+再雇用オリエンテーション(60歳)5. キャリア相談(内部配置/キャリアコンサルタントの育成)さまざまな研修制度富山会 場

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