エルダー2020年2月号
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特集2エルダー25人生100年時代 高齢社員戦力化へのアプローチ当社は、35社で構成するあなぶきグループのなかで、不動産管理に特化して事業を行っている会社です。1983(昭和58)年に高松市と岡山市で業務を開始し、現在は高松市と東京都港区に本社を構えており、分譲マンションなどの建物管理事業、賃貸仲介・開発事業、パーキング事業などを展開しています。従業員数は2941人(社員807人・管理員2134人)です。マンション管理業は、もともと高齢の方に活躍していただくケースが多く、今も変わりません。当社でマンションの管理員として働いている社員は約2000人にのぼり、このうち66歳以上の管理員は1000人を超えています。管理員にとって最も大切なことは、お客さまとの信頼関係を築くことで、単にサービスを提供するだけでなく、住民の変化に気がついたり、建物の変化に気がついたりといった力も求められます。このためには日ごろからの人と人とのつながりが大切で、人生や社会人経験の豊富な高齢者に適している仕事といえます。管理員に長く働き続けてもらうことが当社のサービス品質の維持・向上にとってたいへん重要なことであり、今後も活躍し続けてもらえるよう、次の4点に取り組みました。一つめは、2017年4月に管理員の定年を65歳から70歳へ引き上げました。さらに、希望に応じて再雇用も実施しています。二つめは、フレキシブルな勤務形態を可能とし、管理員は生活や体力に合わせた柔軟な働き方ができる体制をつくりました。三つめは、社会保険加入者以外(75歳以上)の方も、週30時間以上勤務する者は会社負担で健康診断を受診してもらっています。四つめは、定期的に管理員研修を行い、業務内容や健康面を含む安全意識の徹底と、管理員同士で情報共有や意見交換できるよう、グループミーティングの機会を設定しています。これらに加えて現在、当社グループ内で連携し、働きたいと望んでいる高齢者の方に対してグループ全体で仕事をマッチングしていく取組みや、働きながら健康を維持・増進するためのヘルスケアサービスなどの取組みを試行しています。これらの施策も含めて、働くことを希望する高齢者が生きがいを感じ、意欲を持ってより長く働いていきたいと思える職場になるよう、今後も積極的に取り組んでいきたいと思います。高齢社員が意欲を持ってより長く働いていこうと思える職場を目ざして株式会社穴吹ハウジングサービス              福川朋とも孝たか企業事例発表 5             HG管理本部人事グループ サブマネージャー高齢者雇用の課題① 労働意欲と労働条件のギャップの解消②体力や健康不安への対応③仕事を通じての生きがいの醸成 ➡ これらの課題に対して2019年、あなぶきグループ内で連携してプロジェクトを立ち上げた。生涯現役社会の実現に向けた高齢者雇用の課題香川会 場

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