エルダー2020年2月号
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2020.226私たちマルナカは、四国と淡路島に144店舗のスーパーマーケットを展開している企業です。基本理念に「お客さま第一」を掲げて、2020(令和2)年には、おかげさまで創業60周年を迎えます。スーパーマーケットに加え、マルナカグループとして食品製造、旅行業、介護事業も展開しています。社員数は2677人。パート・アルバイトを含めると、1万1000人超となります。小売業を取り巻く環境はスピード感を増して変化し続けており、勝ち組といわれてきた企業でさえ苦境に陥るという厳しい環境変化が生じています。背景には人口減少と少子高齢化、インターネット通信販売の拡大、業態内・業態間の競争激化といった問題があります。こうした環境のなか、当社の従業員構成は、60代以上の社員比率は5・1%ですが、40代以上の比率が高くなってきています。特にパートタイマーに目を向けると60代の比率が30%を超え、中心層として活躍しています。こうした状況から今後を見据え、2018(平成30)年度の労使交渉において、社員の定年延長およびパートタイマーの雇用上限年齢引上げについて協議し、合意しました。その結果、社員の定年年齢を、60歳から延長して65歳としました。60歳以降の雇用形態は選択可能とし、希望を確認のうえ処遇を決定することとしています。パートタイマーの雇用の上限年齢は、70歳から75歳へ引き上げました。65歳定年を迎えた社員に対し、以降はパートタイマーとして、それまでのキャリアを活かし活躍できるようにと考えたためです。定年を延長してから65歳を迎えた社員はまだいませんが、65歳以降の柔軟な働き方の設計も行っています。定年延長のメリットは、技術やマネジメントなどに長たけた人材に、引き続き活躍してもらえること、そして、そのような人材と若手が一緒に働くことで技術・経験の継承につながっていくことなどです。今回の制度改定について、60歳を迎えた社員18人にアンケートを実施したところ、「60代はまだ若くて元気。定年延長には賛成」、「まだまだ上を目ざしてがんばりたい」という意欲的な意見が多くありました。人生100年時代といわれるなかで、仕事以外の、人生を充実させるための時間も大事になると思います。定年延長は、まだ改革の第一歩です。だれもが活き活きと働ける、働き続けられる会社を目ざして、今後も取組みを進めていきたいと考えています。定年延長+パートタイマーの上限年齢引上げによりだれもが活き活きと働き続けられる会社へ株式会社マルナカ 人事教育統括部 人事部 人事課 主任 岡 達也企業事例発表 6定年延長の目的スキルを活かす+スキル・経験を伝える⬇永続的な競争力の確保働きがい、生きがいの向上定年延長の目的香川会 場

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