エルダー2020年2月号
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特集2エルダー27人生100年時代 高齢社員戦力化へのアプローチ60歳を迎える一人ひとりと対話し将来的にどう働きたいのかを聞く今野 定年延長であっても再雇用でも、60歳ごろを契機とした人事管理を考えるとき、「賃金をどうするか」ということも重要ですが、まず、「何をしてもらうのか」、ということがあります。役割や仕事内容をどのようにして決めているのか、まずはこの点からお聞きしたいと思います。村田 当社では、旧制度の再雇用のときも定年延長をしたいまも、原則として、60歳到達時の仕事を継続します。ほかの仕事をしてもらうというケースは、いまのところはまったくないという状況です。今野 原則から外れる、ということもあり得るのでしょうか。村田 店長の職種に関しては、ほぼ変更はないのですが、本社内の課長職に関しては、将来的にはあり得ると考えられます。そのことが少々、悩みになっています。今野 どう悩んでいるのですか。村田 現時点では、同じ仕事、職場が望まれていてほぼ実現できていますが、これから高齢社員の人数が増えてくると、それがむずかしくなる可能性があることです。いま私は、60歳を迎える一人ひとりに対し、遠方であっても出向き、時間をかけて話をしています。将来的に自分がどう働きたいのか、どう生きたいのかというところまで掘り下げて対話し、いまの職場がよいのか、それとも変えたほうがよいのかということもたずねたりします。また、今後、定年年齢の65歳に到達する者も出てきますので、同様に個別に話を聞き、いまの職務内容でよいのか、聞いていかなくてはいけないと思っているところです。再雇用者が行う仕事の割り振りはマネージャーが個別に対応して決める今野 立花さんの会社では社内公募制を導入されていますが、全員が社内公募というわけでは今野浩一郎氏学習院大学名誉教授学習院さくらアカデミー長コーディネーターパネリスト村田雅義氏北海道日産自動車株式会社執行役員 総務部長立花一元氏損害保険ジャパン日本興亜株式会社人事部ダイバーシティ推進グループ主査 ライフデザインチームパネルディスカッション「高齢社員を戦力化するための工夫」北海道会 場

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