エルダー2020年2月号
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エルダー3とタイムカードを、毎月本社に持ってきてもらうようにお願いしており、その日は本社のスタッフと雑談するなど、コミュニケーションのきっかけにしています。 また、私の携帯番号を記した「ブレイブラインカード※1」を全従業員に配付しています。勤務先での困りごとがあれば、通常は担当スタッフに相談するのですが、私にも直接コンタクトを取れるようにしています。専用の携帯電話を持って24時間受けつけていますが、多いときは月に5件ほど連絡があります。社長就任時からの取組みですが、私自身、社長の姿が見えない会社にはしたくない、社長とつながっているという安心感を与えたいという思いで始めました。―高齢従業員の年齢構成を見ると、雇用の上限年齢はないように思えます。処遇を含めた仕組みはどうしていますか。有賀 社長就任以来、雇用の上限年齢は設けていません。高齢従業員が働く理由は、「元気なうちは働きたい」、「生活の不安があるので働きたい」などさまざまです。また、会社も高齢従業員に助けられて存続してきました。将来の不安が高まるなかで、せめて収入源が閉ざされることがないようにしたいという思いがあります。退職していく高齢従業員は、健康上の理由が多いのですが、なかには家族から「そろそろ辞めるようにいってもらえないか」という相談もあります。これまで勤務した最高齢者は88歳、ボイラー技士の方でした。 先日も77歳の人が面接に来るなど、採用時の年齢も問いません。ただし、加齢による体力の衰えなどの事情で実際に作業ができない場合もあるため、「まずはやってみましょう」というところからスタートします。 処遇に関しては、現場で働くパートタイマーは時給制ですが、になう責任と作業内容によって給料も違いますし、賞与も支給しています。マネジメントをになう本社のスタッ また、従業員は約150カ所の契約先で働いており、直行・直帰の人がほとんどです。本社のスタッフがシフトの作成などの労務管理を担当し、頻繁にコミュニケーションをとるようにしています。例えば、定期的な巡回に加え、『共同ニュース』という社内報を毎月発行し、給与明細と一緒に必ず手元に届くようにしています。従業員のなかにはそれを楽しみにしている人も多く、「ファイルしたニュースが180号になったよ」と嬉しそうに話してくれる人もいます。そのほか、日報高齢従業員が会社の主力として活躍その貢献に応えられる制度を整備※1 ブレイブラインカード…… 従業員の違法行為や怠慢行為を発見した場合や、お客さまから苦情をいわれたとき、担当上司に相談したが回答がないときに、相談・報告をするための窓口として、社長または本社品質管理課のブレイブライン専用携帯電話番号が記載された、名刺サイズのカード

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