エルダー2020年3月号
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特集エルダー11人生100年時代 高齢社員戦力化へのアプローチ当社では、主に女性向けの化粧品を製造・販売しています。1929(昭和4)年に創業し、ポーラレディーによる訪問販売から、現在は店舗型の「ポーラ・ザ・ビューティー」というビジネスモデルに変化していますが、4万5000人のビューティーディレクター(個人事業主)が全国におり、この方々も含めた女性活躍推進も当社のミッションの一つです。ビューティーディレクターには、90代以上が約270人おり、2019(令和元)年には99歳の女性が、美容に奉仕する活動を続けている最高齢の女性ということでギネス世界記録の認定を受けました。ほかにも、生涯現役のロールモデルとなるような方が大勢活躍しています。従業員数は約1700人。60歳以降も活き活きと働く時代への対応として、2018年に継続雇用制度を改定し、継続雇用制度の年齢上限を撤廃、健康・能力・意欲次第で65歳以降も年齢にかかわらず働ける制度としました(旧制度は定年60歳、希望者全員65歳まで再雇用)。継続雇用者には、一人ひとりに対して会社全体を通じて期待をかけそれを実感してもらうとともに、持っている能力を存分に発揮してもらうことで組織の成長を加速させ、その活躍が評価・処遇に反映される制度にしました。評価の仕組みも見直し、期待役割に基づいて、一人ひとりに合った行動評価、評価基準を設けて、しっかりと評価していく内容に改めました。報酬についても、期待役割に基づいた処遇に改め、段階的に少しずつ上げています。一人ひとりを評価していくためには、コミュニケーションが重要ですから、マネージャー・管理職が一人ひとりと向き合う制度設計としています。新制度では、継続雇用後に五つのコース(下表)を設定しています。コース決定は、60歳になる2年半前に意向を確認し、以降の2年間を判定評価期間とし、60歳直前にコース判定と最終意向を確認します。いずれも、上長がコミュニケーションをとって行います。また、2018年に57歳から60歳の社員を対象に、ライフプランセミナーを実施しました。2019年は56、57歳を対象とし、いまはもっと早い段階から実施したほうがよいと感じています。自分の人生100年を考える内容の研修ですので、「人生を振り返る、とてもよい機会になった」との感想が聞かれています。継続雇用にかぎらず、一人ひとりが活き活きと、自分らしく働くことが、幸せな人生への道ではないかと思います。よりよい取組みを目ざして、今後も追求し続けていきたいと思います。シニアの活躍支援―新しい継続雇用制度と研修について―株式会社ポーラ 経営企画部(CSR・秘書)チームリーダー 佐藤幸さち子こ企業事例発表1〈新・継続雇用制度の概要〉※ コースは定年の2年半前の時点で本人の意向を確認し、その後の2年間の評価で決定する定年60歳、以降の継続雇用社員(1年ごとに更新)の仕事・コースを見直し、次の5コースを設定している。①部門 マネジメントコースマネジメント経験・能力を活かす②チーム マネジメントコース③アドバンスコース伝承と後進の育成をにないつつ、プレーヤーとして実務にあたる④シニア実務コースプレーヤーとして実務にあたる⑤サポートコースサポート業務をになう東京会 場

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