エルダー2020年3月号
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特集エルダー15人生100年時代 高齢社員戦力化へのアプローチやりがい、③キャリア開発目標シートの作成、この3点をセットで行うと、研修の効果が上がることがわかりました。何よりも、受講者自身が考え、気づいて行動をすることが重要です。佐藤さんもお話しされていましたが、たとえ1日でも、社員が自分自身についてゆっくり考える場を提供することが大切ではないかと思います。藤波 どちらにも共通しているのは、会社側が個人にキャリアを考えてもらう機会を用意していることですね。 一方で、自身のキャリアを考えた結果、大きなキャリアチェンジを求める人もなかにはいらっしゃるかもしれません。小西さんは、ご自身でNPO法人を立ち上げて、50代を対象としたセミナーなどをされていますね。小西 中央職業能力開発協会のキャリア・シフトチェンジ研修のインストラクター養成セミナーを受けて、そのときの仲間とNPO法人を立ち上げました。長年企業で働いてきた50代の方を対象に、マインドチェンジのためのカウンセリングやセミナーなどを行っています。50代から高い意識を持ち、地方創生など、社外に活躍の場を求めるなど、自ら動いている人はたくさんいらっしゃいますね。藤波 会社が研修という形でキャリアを考える場を提供することはもちろん大切ですが、社外にそういった相談や研修の場もあるということを会社から情報提供するなど、外部の資源を有効活用していくことも重要な視点だと思います。これからに向けて藤波 最後に、これは伝えておきたいということを、一言ずつお願いします。佐藤 人事や経営企画という部門を通じて、企業の力を活かし、よりよい社会にしていくということについて、もっとできることがあるのかなと感じています。この会場にも、何か弊社と一緒にやっていただける方がいらっしゃいましたら、絶賛募集中ですので、どうぞよろしくお願いいたします。立花 定年というのは一つの関所だと思いますので、定年が60歳でも65歳でもあった方がいいのかなと私は思っています。その定年に向けて、50歳という節目で会社側が場と情報を提供し、社員本人が考えることが大切だと改めて思っています。小西 65歳以降も働くことが、今後は必然になってくると思います。そこに対して、高齢者が増えるんだなと思っていながら、本気で手を打っていない会社がまだ多いように思います。高齢者といわれる世代の労働意欲は本当に高いので、この労働意欲とうまくマッチングできるような仕組みも重要ではないかと思います。藤波 ありがとうございます。本日は、3人の方からたいへん貴重なお話をいただきました。会場にお越しのみなさま方の、職場における取組みのヒントになれば幸いです。立花一元氏 (損害保険ジャパン日本興亜株式会社 人事部 ダイバーシティ推進グループ主査 ライフデザインチーム)小西敦美氏 (日本クッカリー株式会社 伊勢崎工場 管理部長)

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