エルダー2020年3月号
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特集エルダー21人生100年時代 高齢社員戦力化へのアプローチ当社は1831(天保2)年に創業し、百貨店業を生なり業わいとして、現在は国内19店舗、海外4店舗を展開しています。単体の従業員数は8835人、うち4731人が正社員です。再雇用制度は、2001(平成13)年に導入しました。60歳定年後、再雇用希望者はその基準に沿ってコースに分かれ、1年ごとの有期契約で65歳まで再雇用します。契約社員、パート社員も同じで、全従業員に占める再雇用者比率は約13%となっています。当社では、定年後を見据えて、個々のキャリア形成が確実に図られるよう、キャリア・ライフプラン支援に力を入れています。人事情報調査、面談、セミナーの三つを適切なタイミングでくり返し実施し、本人の意向と目標を確認しながら行うもので、多くの時間と労力をかけています。面談は、30・40・50・55歳と定年6カ月前の全正社員に、キャリア・ライフプランセミナーは40・50・55歳を対象に実施しています。再雇用後は主に六つのコースに分かれますが、これらの支援を受けながらキャリア形成をするなかで、一つの道として決まっていくという流れで取り組んでいます。コースについては、プロフェッショナル人材のコースとして「専門嘱託員コース」(対象は部長以上、専門分野のプロとして能力を発揮)、「スーパーセールスコース」(プロの販売営業職)、「技術・技能コース」(特定の技術・技能で組織に貢献)の3コース。そして、通常の再雇用コースとして「キャリアコース」(フルタイム勤務)、「シェアードコース」(短時間勤務)があります。「キャリアコース」には〝レギュラーコース〞と、ノウハウの継承といった役割もになう〝マスターコース〞があります。また、「グループ内再就職支援コース」として、出向先で定年を迎え、その後も出向先で活躍するコースもあります。再雇用後も、定年前と同様に考課を年2回実施します。取組み・成果を評定し、給与・賞与の決定と、コースの転換基準としています。再雇用社員を取り巻く環境は毎年変わりますので、短時間勤務からフルタイム勤務に戻る、あるいはその逆、という希望も出てきます。今後は、能力開発と同一労働同一賃金への対応として一部の制度改正を予定しています。また、当社におきましても定年延長、あるいは再雇用年齢の引上げについても、法改正内容もふまえた検討が必要と認識しています。髙島屋におけるキャリア・ライフプラン支援再雇用制度について株式会社髙島屋 人事政策 兼 人事・採用育成担当部長 松まつ室むろ伸のぶ生お企業事例発表2〈再雇用コース別の雇用者数実績(過去5年間)〉プロフェッショナル人材専門嘱託員コース29人スーパーセールスコース23人技術・技能コース13人キャリアマスターコース413人レギュラーコースシェアードレギュラーコース220人アドバンスコース44人(55歳以上社員も含む)グループ内再就職支援コース23人大阪会 場

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