エルダー2020年3月号
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2020.354「ゴルフ」というスポーツ、そして「ゴルフ場業」において、経験と知識に基づいた接遇スキルや、良好なコース・コンディションを維持する技術・技能を持った経験豊かな「人材」は、何ものにも代えがたい財産である。若年者の採用がむずかしい時代に直面しているいま、多様なスキルを持った人材を育てることはもちろん、性別・年齢・キャリアにこだわることなく、多様性を重視した人材戦略を策定し、実行していくことが求められている。同ガイドラインは、ゴルフ場業における高齢者の活用の現状をふまえて、各社が人手不足の状況のもと、高齢者の活躍を推進しながら、高齢者が持つ技能・技術を後進に伝承して競争力を高めるために取り組むべきポイントをまとめている。本編の前に「本書の使い方」としてインデックスページを設けており、各ゴルフ場の状況に合わせて、興味のある項目・優先度の高い項目から参考にできるようになっている。「Ⅰ ゴルフ場業における高齢者の活躍に向けた考え方」では、ゴルフ場業において、高齢者の活躍が求められる背景を述べたうえで、ゴルフ場業における高齢者の活躍に向けた考え方を整理している。「Ⅱ ゴルフ場業における高齢者の活躍方策」では、ゴルフ場業高齢者雇用推進委員会での検討結果をもとに、業界各社が人手不足の状況のなか、高齢者の活躍を推進しながら競争力を高めるために取り組むべきポイントを、「ゴルフ場全体で取り組むこと」に加え、「コース管理」、「キャディ」、「レストラン」、「事務・営業」の四つの職種別に分けて紹介している。また、全国のゴルフ場を対象とした「ヒアリング調査結果」のなかから、各職種に沿ったものを企業事例として紹介している。さらに、要所で表による解説を行っており理解の手助けとなる。また、「健康経営」や、若手・中堅社員向けの「高齢社員と一緒に働くための心がまえ」、高齢社員向けの「職場で必要とされるための心がまえ」をテーマとしたコラムを掲載するなど、高齢者雇用を進めるうえで必要な情報をコンパクトにまとめている。「Ⅲ ゴルフ場業における高齢者雇用の現状」では、当事業において2018年度に実施したアンケート調査結果の概要を紹介している。特にアンケート調査では会員企業へのアンケート調査とあわせて、会員各社の50歳代・60歳以上の従業員を対象としたアンケート調査を実施したことで、ゴルフ場業界の高齢者雇用の現状と課題、各ゴルフ場の取組みについて多面的にとらえている。また、巻末には「参考資料」として、日本の少子高齢化の現状や高齢者雇用にかかる今後の政府方針、在職老齢年金と高年齢雇用継続給付の仕組みについて説明。高齢者雇用に関する情報一覧を示し、運用上の課題解決に向けた相談のできる支援機関を紹介している。一般社団法人 日本ゴルフ場経営者協会連絡先:東京都千代田区神田司町2―7―6 鈴木ビル3階TEL:03―5577―4368FAX:03―5577―4381HP:http://www.golf-ngk.or.jp/一般社団法人 日本ゴルフ場経営者協会5ゴルフ場業高齢者活躍に向けたガイドライン 〜ヘルスケア産業としての健康な高齢者雇用を目指して〜

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