エルダー2020年3月号
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エルダー61﹁戻し吹き﹂の技で70年以上現役を続ける﹁現代の名工﹂鉛にアンチモン※1、錫すずを混ぜた合金をアンチモニーという。その地じ金がねを溶かして鋳ちゅう造ぞう・加工した製品が「東京アンチモニー工芸品」である。明治初期、維新によって武具づくりの職を失った鋳い物もの師しや彫刻師らによって製法が確立された。それ以来、東京の地場産業として、装飾品や置物、賞杯など、さまざまな製品が生産されている。2015(平成27)年には経済産業大臣から伝統的工芸品に指鋳い込こみ工近藤幸ゆき男おさん(88歳)細かな模様や形を表現する独特の「戻し吹き」技法※1 アンチモン……金属元素の一つ。銀白色でもろい、レアメタルの一種

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