エルダー2020年4月号
11/68

特集中高年期の女性社員の仕事意識と企業の支援エルダー9から、仕事や職場に満足して働けているかということと定着意識との間には、どのような関係があるのかを見ていきます。(1)個人の仕事や働き方への満足度との関係現在の自分の仕事や働き方に対する満足度は、「仕事内容」、「賃金水準」など9項目と「総合評価」について、「満足」から「不満」までの5段階でたずねています。図表2は「満足」と「おおむね満足」と回答した人の割合を定着意識別に示したものです。仕事や働き方への総合評価では、定着コア層の7割近くが肯定的評価であるのに対して、現役定着層では5割弱、流動層では3割弱となっており、グループ間に大きな差があることがわかります。項目ごとに見ても、定着コア層では、「仕事内容」や「労働時間、休暇」をはじめとする5項目と総合評価で肯定的評価の割合が5割を超えていますが、流動層では5割を超える項目はありません。このように、自分の現在の仕事や労働条件などに満足して働けているかどうかということと勤務先への定着意識とは密接に関連しています。また、項目間で比較してみると、「仕事内容」や「労働時間」に対する満足度は相対的に高く、「研修、能力開発の機会」や「自分に対する人事評価」などに対する満足度は各グループとも低い傾向が見られます。特に、「研修、能力開発の機会」に関しては、定着コア層においても肯定的評価の割合が4割を切り、ほかの項目に比べて満足度が低いことがわかります。(2)勤務先の人事制度や働きやすさへの評価との関係次に、勤務先の人事制度や働きやすさへの評価と定着意識との関係を見てみましょう。これについては、「女性の登用」、「高齢者の活用」など8項目と「総合評価」について、「よい」から「よくない」までの5段階でたずねました。図表3は「よい」と「おおむねよい」と回答した割合を定着意識別に示したものです。先に見た個人の状況への満足度ほどではないものの、すべての項目についてグループ間で差が見られます。特に、「仕事と生活の両立への配慮」、図表3 勤務先の人事制度や働きやすさに対する肯定的評価の割合n=定着コア層1034、現役定着層806、流動層15200102030405060%女性の登用定着コア層現役定着層流 動 層高齢者の活用定着コア層現役定着層流 動 層能力評価、人事考課定着コア層現役定着層流 動 層人材育成方針定着コア層現役定着層流 動 層雇用の安定性定着コア層現役定着層流 動 層仕事と生活の両立への配慮定着コア層現役定着層流 動 層キャリア設計の相談体制定着コア層現役定着層流 動 層コンプライアンスへの対応定着コア層現役定着層流 動 層働きやすさを総合してみて定着コア層現役定着層流 動 層よいおおむねよい

元のページ  ../index.html#11

このブックを見る