エルダー2020年4月号
13/68

特集中高年期の女性社員の仕事意識と企業の支援エルダー11「よくそう思う」、「時々そう思う」、「あまりそう思わない」、「そう思わない」、「わからない、高齢社員がいない」の5択で評価してもらい、「よくそう思う」、「時々そう思う」という肯定的な評価の割合を定着意識別に示したのが図表5です。定着コア層では、10項目のうち5項目で肯定的評価の割合が5割を超えていますが、現役定着層では5割を超えるのは「出勤状況が安定している」だけです。流動層では肯定的評価が5割を超える項目はありません。定着コア層と現役定着層は、定年まで働くという意識では共通していますので、さらに定年後も継続勤務するかどうかという意思決定に職場の先輩高齢社員の働きぶりが少なからず影響している可能性がうかがえます。また、項目別に見ると、「仕事へのモチベーションが高い」や「若者が望まない仕事をしてくれる」については定着コア層でも肯定的に評価する人が3人に1人程度です。高齢社員の仕事への意欲に対する現役社員からの評価は、なかなか厳しいものがあることが感じられます。モチベーションアップにつながる会社の対応最後に、高齢期の働き方に対する考えについて見てみましょう。高齢期に働く場合にモチベーションアップにつながると考える会社の対応をたずねたところ、図表6に示したように、定着意識別グループによって、「ききめがある」会社の施策は若干異なる傾向があります。「定年年齢の引き上げ」と「何らかの形で働ける年齢の上限引き上げ」は定着コア層の選択率がほかの2グループに比べて大幅に高くなっており、働ける年齢の引上げに関する制度改善は、もともと定年後も勤務継続しようと考えている人にとって、さらにモチベーションアップにつながる施策と考えられていることがうかがえます。一方、定年までは勤務するが継続雇用を希望していない現役定着層は、「勤務時間や働き方の選択肢を増やす」、「健康管理への支援」、「介護と仕事の両立への支援」などの項目の選択率が3グループのなかで最も高く、個人の事情と折り合う働きやすさへの支援を重視する傾向が図表5 職場の高齢社員に対する評価n=定着コア層1034、現役定着層806、流動層1520010203040506070%仕事ができる定着コア層現役定着層流 動 層経験や技術を伝えてくれる定着コア層現役定着層流 動 層困った時に助けてくれる定着コア層現役定着層流 動 層仕事の依頼をしやすい定着コア層現役定着層流 動 層仕事へのモチベーションが高い定着コア層現役定着層流 動 層コミュニケーション能力が高い定着コア層現役定着層流 動 層出勤状況が安定している定着コア層現役定着層流 動 層若者が望まない仕事をしてくれる定着コア層現役定着層流 動 層人手不足の解消に役立っている定着コア層現役定着層流 動 層地域とのつながりを高めてくれる定着コア層現役定着層流 動 層よくそう思う時々そう思う

元のページ  ../index.html#13

このブックを見る