エルダー2020年4月号
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2020.438幅広い業務を行っています。大手設備会社勤務を経て、50歳のときに央幸設備工業に入社しました。「ものづくりが好きなことがありますし、これまでつちかった技術が活かせることが喜びです」と話します。以前の大手設備会社では、観光ホテルや病院など新築物件の建設工事がほとんどでしたが、いまは改修工事がメインです。「改修工事のむずかしさは、居住者の生活機能を活かしながら、工事を進めなければならない点です。住民の方々に満足してもらうことと、トラブルなくスムーズに工事齢者雇用に積極的に取り組んでおり、雇用制度の改善以外にも、教育訓練休暇制度、セルフ・キャリアドック※2制度、人事評価制度、能力開発施策の改善、人事労務研修などキャリア教育の充実や研修にも取り組まれています。高齢従業員が各自のライフスタイルに合わせ、活き活きと働き続ける姿は、若手従業員のよい手本となっています」と話します。そこで、前嶋プランナーは当機構の「高年齢者雇用開発コンテスト※3」の応募を提案するとともに、企業診断システムの雇用力チェックリストを活用し、水準より下回った項目についての対応策についてアドバイスを行いました。「そのほか、同社では、地域貢献事業にも積極的に取り組まれています。これらの取組みが評価され、2019年度高年齢者雇用開発コンテストで理事長表彰特別賞を受賞しました」と前嶋プランナーは続けます。今回は、同社で65歳を超えても役職者として会社を牽けん引いんするお2人に話を聞きました。定年後も主力として会社を牽引村上豊さん(74歳)は、工事部長として、同社が請け負う工事の進行状況を確認しながら、工事積算、現場管理、工程・原価・品質・安全管理およびビルやマンション施主との交渉・打合せなど、した、個々が強い会社を目ざしてきました」と語ります。2004(平成16)年からは、新たに霊れい芝し(マンネンタケ)の培養・栽培に着手し、霊芝を使ったサプリメントの製造を開始しました。霊芝は古くから健康食材として知られているキノコですが、人工栽培が非常にむずかしく、水、光、温度などを最適に保った栽培室のなかで長期栽培をしなくてはなりません。設備工事を専門としていた央幸設備工業であれば、最適な環境設備を備えられると考え、バイオ事業に参入しました。2011年には「株式会社北海道霊芝」を設立し、生産から流通まで自社で行うシステムを構築。2015年には美び唄ばい市の廃校舎に最新設備を導入し、一貫生産工程を実現して、製品の大量生産を可能にしました。「雇用力チェックリスト」を活用しよりよい制度へ央幸設備工業は、2017年11月に定年年齢を60歳から65歳に引き上げました。あわせて、希望者全員を再雇用する継続雇用制度の年齢上限を65歳から70歳に延長し、70歳以降も本人が希望し、会社も業務上特に必要と認めたときは、年齢上限を超えても雇用可能な制度としています。前嶋プランナーは、同社の取組みについて、「高資料を確認する村上豊さん※2 セルフ・キャリアドック…… 企業がその人材育成ビジョン・方針に基づき、キャリアコンサルティング面談と多様な研修などを組み合わせて、従業員の主体的なキャリア形成を促進・支援する総合的な取組み※3 高年齢者雇用開発コンテスト…… 高年齢者に意欲と能力があるかぎり働き続けられる職場づくりに関するアイデアの普及を目的に、高齢者雇用に関する創意工夫を行った職場改善事例や、実際の働き方などの工夫の事例を募集し表彰するもの。当機構と厚生労働省が主催している

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