エルダー2020年4月号
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エルダー592020.4 April ニュース ファイル 従業員7万人を対象としたがん教育を実施富士通株式会社富士通株式会社は、国内のグループ従業員約7万人を対象とした大規模ながん教育を実施した(実施期間:2020年1月〜3月)。同社は、1971年に企業内健康診断に胃がん検診を取り入れるなど、早くからがん検診の受診率向上によるがんの早期発見、早期治療の実現を図ってきた。しかし近年、従業員のがん発症者が増加傾向にあることから、従来の取組みに加え、がんの予防や発症後の治療と仕事の両立につながる取組みを重視し、実施した。従業員のがんに対する正しい知識の習得をうながし、予防につながる生活習慣の改善や、早期発見・早期治療のためのがん検診受診率向上を図ることを目ざしている。教育は、「がん予防と、治療と仕事の両立支援」をテーマに、がん専門医による講義と、eラーニングを組み合わせて実施。おもな内容は、①がんの基礎知識、②がん予防につながる生活習慣、③早期発見・早期治療のためのがん検診の重要性、④仕事とがん治療の両立支援など。今回の教育に使用した教材について同社では、厚生労働省の委託事業である「がん対策推進企業アクション」※を通じて公開する予定。※ 企業・団体とともに、がん検診受診率の引上げと、がんになっても働き続けられる社会の構築を目ざす国家プロジェクト。2009年度にスタートした。推進パートナー企業・団体数は、2020年3月現在で約3300社。「がん対策推進企業アクション」ホームページhttps://www.gankenshin50.mhlw.go.jp/index.html調査・研究 高齢者雇用に関する調査日本労働組合総連合会日本労働組合総連合会(連合)は、「高齢者雇用に関する調査」を2019年12月18日〜20日の3日間、インターネットリサーチにより実施。全国の45歳〜69歳の有職者1000人の有効サンプルを集計した。調査結果から、60歳以上の人(400人)に聞いた現在の仕事の満足度についてみると、「満足している」と回答した人の割合は、【働き方】では70・3%、【仕事内容】では71・5%と高い割合だが、【賃金】では44・0%にとどまっている。また、60歳以降も働きたいと思っている人(936人)にその理由をたずねると、「生活の糧を得るため」(77・0%)が最も高く、次いで、「健康を維持するため」(46・2%)となっている。今後、65歳以降も働きたいと考えている人(780人)に、65歳以降の希望する(または希望していた)働き方を聞いたところ、「現役時代と同じ会社(グループ含む)で正規以外の雇用形態で働く」(42・4%)が最も高く、次いで、「現役時代と同じ会社(グループ含む)で正社員として働く」(33・1%)、「現役時代と異なる会社で正規以外の雇用形態で働く」(21・2%)となっている。全回答者に、65歳以降も働く場合、どのような心配があるか聞いたところ、「自身の体力が持つか」(65・5%)が最も高く、次いで、「自身の健康を維持できるか」(57・5%)、「十分な所得が得られるか」(48・4%)の順となっている。再雇用制度で働く会社員の意識調査株式会社マイスター60株式会社マイスター60は、定年退職後に再雇用制度を使って働いている60〜65歳の全国の男性500人を対象に、インターネットリサーチによりアンケート調査を実施した。調査期間は、2019年11月7日〜11日の5日間。調査結果によると、現在の雇用体系は、「嘱託/契約社員」(64・2%)が最も多く、「正社員/正職員」(32・2%)が続いた。勤務先で定年を迎え、再雇用制度を使って働いている人に、定年後の賃金の変化についてたずねたところ、「5割以上減」が最も多く39・8%、次いで「3〜4割程減」が39・6%と、ほぼ同じ割合となっている。一方で、「同程度」は7・4%、「増加した」は0・6%となっている。勤務先の会社の満足度は、「仕事内容」については、「とても満足」(9・4%)、「ある程度満足」(61・0%)で、あわせて70・4%。一方で、「給与」に関しては、「とても満足」(1・4%)、「ある程度満足」(24・2%)で、あわせて25・6%。また、自己研鑽について、「積極的に取り組んでいる」(5・8%)、「どちらかというと取り組んでいる」(25・4%)である一方、「まったく取り組んでいない」(28・4%)、「どちらかというと取り組んでいない」(40・4%)であり、あわせると7割近くが取り組んでいない実態が明らかになった。定年退職前にもっとしておけばよかったと後悔していることは、多い順に「資産運用」(38・4%)、「健康/体力維持改善」(31・0%)、「趣味づくり」(23・6%)となっている。

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