エルダー2020年4月号
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脳力アップトレーニング!働くための2020.464第35回イラストのように、箸などを口にくわえて口角を上げた状態で課題に挑戦します。課題を終えるまでの時間を計ってください。意識的に口元を引き締めて眉間にしわを寄せるなど、真剣な表情で解きます。課題を終えるまでの時間を計ってください。内田クレペリン精神検査 今回は、作業効率を調べる課題を使って脳を鍛えると同時に、表情とパフォーマンスの関係を学びます。単純作業で必要な雰囲気と、創造力が必要な仕事をこなすときの表情について学んでください。「表情」と「集中力、やる気」の関連性今回の課題は「内田クレペリン精神検査」と呼ばれるテストで、表情と集中力、やる気の関連を体験的に知ることができます。今回のような単純作業の課題の場合、一般的に、口元が引き締まり、眉間にしわが寄った鬼気迫る表情のほうが成績はよくなります。脳の覚醒水準を上げるノルアドレナリンなどの分泌が増し、単純作業の効率を上げると考えられるからです。一方で、箸を横にくわえると、口角が上がり、笑顔に近い状態になり、「楽しい」、「気分がいい」、「またやってもいい」という感情が出ます。笑顔に近い表情の場合、クリエイティブな作業での成績もよくなることが知られています。ドーパミンの分泌が増し、やる気に変わる線条体が活性化して、創造的な作業にかかわる前頭葉が活動しやすくなるのです。私たちは、表情によって集中力を高めることも、創造性を高めることも可能なのです。篠原菊紀(しのはら・きくのり)1960(昭和35)年、長野県生まれ。公立諏訪東京理科大学医療介護健康工学部門長。健康教育、脳科学が専門。脳計測器多チャンネルNIRSを使って、脳活動を調べている。『中高年のための脳トレーニング』(NHK出版)など著書多数。課題2課題15845769837668783497285794462795748634843719738613457985784264789748626+8=148+7=15【例】45左から隣り合う二つの数字を合計し、答えの一の位だけを□に記入してください。それぞれ、解いた時間も計測してください。今回のポイント課題2(口角を上げたほう)が早く解けた場合は、課題そのものを楽しむ意識が強かったと考えられます。

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