エルダー2020年6月号
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2020.624ている。現在の従業員数は26人。半数がSEである。年齢構成は50代が14人と最も多いが、新卒者も採用しており20代のSEも3人いる。同社には定年がなく、「元気でやる気があればずっと働ける会社を目ざしています。しかし、シニアばかりになるとバランスが悪く、仕事もしづらくなるので、2018年度から新卒者の採用を始めました。同時に、高年齢の社員にはコンサル業務と教育事業をになってもらうなど、新たな仕事にも挑戦中です」と加瀬さんは話す。同社の拠点は東京都羽村市に本社を置くほか、拝はい島じま事務所と日本橋サテライト、また、作業場として銀座セカンドライフのレンタルオフィスを活用している。現役時代の人間関係を大切にしながら起業家の交流会で新たな人脈もつくる加瀬さんと銀座セカンドライフとの縁は、起業してまもなくのころ、知合いに誘われて銀座セカンドライフが開催する起業家の交流会に参加したことから始まった。交流会は毎月100人規模で開催されていて、加瀬さんはそこで多くの人脈をつくることができたという。「税理士やコンサルタント、製品を販売する営業担当など、現在の仕事につながる人はほとんどこの交流会で出会いました。また、銀座セカンドライフのレンタルオフィスは便利な場所にあり、使いやすいので存分に活用しています。また、定年退職後に起業をしたシニアとして、銀座セカンドライフを通じてメディアの取材を受ける機会を何度かいただきました」と、銀座セカンドライフとのつながりが仕事を後押ししてくれていると加瀬さんは話す。定年退職してから起業した先駆者として、自身の起業について感じていることを加瀬さんにたずねると、笑顔とともに次の言葉が返ってきた。「自分の生活リズムに合った会社をつくり、仕事ベースで働ける、シニアが働きやすい会社をつくっていますが、そういう環境が合う若い人もいるようです。私自身については、好きな仕事が続けられて出会いがあり、楽しく、働きがいがあり、忙しくて年齢を忘れるほどです」シニア起業を考えている人へのメッセージをお願いすると、「起業は好きなことをやるのが一番です。好きなことは続けられるからです」。また、現役時代からの準備として、「良好な人間関係(人脈づくり)、さまざまな経験(頼まれた仕事を嫌がらない)、退職後も現役時代の人間関係を大切に、また、多少の資金づくりと家族との良好な関係も大切。会社を運営するうえで人脈に支えられることが多いからです」と、自らの体験をふまえて語った。今後も「体が動くうちは仕事をしていたい」と考えており、「目標は80歳まで働く」こと。会社の将来については後継者のことも含めて考えているという。「社員一人ひとりが後継者になれるような育成指導(できるだけ自分でやらない)と適材適所を心がけています、やりたいことをやらせるようにしたいのですが、ビジネスの可能性を重視し、状況、環境の判断をしっかりしていきたい」と活き活きとした表情で抱負を語ってくれた。代表取締役を務める加瀬滋さん

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