エルダー2020年6月号
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特集定年退職後の多様なキャリアを考えるエルダー25社会貢献の分野で活躍するシニアを表彰しシニア世代のロールモデルに「現役時代につちかったスキルや経験を、社会のために役立てたい」│そんな思いを持つシニア世代を支援する活動を行っているのが、「認定NPO法人プラチナ・ギルドの会」である。「『会社の仕事』から『人生の仕事』へ」、「『支援される側』から『支援する側』へ」を理念に掲げる同法人は、理事長を務める奥山俊しゅん一いち氏が2013(平成25)年に賛同者とともに設立した。「シニア世代が活き活きと働き、社会貢献に積極的に参画できる社会の実現を目ざしています」と奥山氏は語る。プラチナ・ギルドの会では、社会参画への意欲を持った40~60代の人々が会員となり、それぞれが関心のある分野で社会貢献に取り組むとともに、その手法について学び合う。現在の会員数は約80人。会員の中核となっているのは退職したビジネスパーソンだが、最近は会社勤めのシニアや若手の社会起業家も増えているという。毎月1回開催している定例会では、学習や活動提案を行うほか、小グループ活動や、さまざまなNPOとの協業も行っている。同法人は、二つの柱となる事業を行っている。一つは、年に一度、社会貢献の分野で活躍する主に50歳以上のシニアを顕けん彰しょうする「プラチナ・ギルド アワード」である。今年2月には7回目の表彰式が開催され、認知症をテーマにしたカフェの運営者やDV等の被害者の支援活動を行うNPOの代表など、5人のシニアが表彰された(28頁参照)。アワードの目的について奥山氏は、「実際に社会貢献の分野で活躍しているシニアのみなさんにロールモデルになっていただき、その活動を世の中に知らしめることで、より多くのシニア世代に社会活動に目覚めてほしいと考えています」と話す。企業内セミナーを通じて在職中から社会参画意識を持ってもらうそして、もう一つがセミナーの開催だ。「プラチナ・ギルド アカデミー」は、ボランティア活動やNPO活動について知りたい、参加したいと考えているシニア世代向けに、講演やワークショップなどを通じて社会貢献活動への理解を深めてもらうというもの。こうした公開型のセミナーを開催する一方で、2年前からは40代、50代の社員を対象とした企業内セミナーも実施している。「公開型のセミナーは、もともと高い意識を持った人にしか参加してもらえません。しかし、本当に重要なのは、社会参画シニアがつちかったスキルや経験を活かし社会貢献に参画できる環境づくり認定NPO法人 プラチナ・ギルドの会(東京都新宿区)事例4

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