エルダー2020年6月号
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2020.642の笑みで話す植山さん。その理由は、「ここでリハビリをすることで、利用者の方の表情がどんどん活き活きとして、いい顔になるんです。1日のなかで変化することもあれば、長い間通われて徐々に変化していく様子にも触れられます。見ていて励まされます」と語ります。仕事で心がけているのは、「利用者第一であることと、自分の健康管理です」と話します。希望をすれば70歳まで再雇用で働ける制度についてたずねると、「身体が動くうちは働いていたいので嬉しいです。65歳を過ぎたら少し勤務日数を減らし、趣味を楽しみながら働き続けたいと思っています」とのこと。本多総務部長は、「65歳以降は働く人の都合に各施設が合わせて、それぞれの勤務時間帯など調整します。無理のない形で辞めずに働き続けてほしい」と植山さんに声をかけました。庭にわ田た利とし信のぶさん(62歳)は、介護福祉士と介護支援専門員の資格を持ち、1992年からこのデイケアセンターに勤務しています。現在、デイケアセンターの職員をまとめる課長であり、介護職員としても働くプレイングマネジャーです。利用者の送迎や入浴介助、ケアプランの計画・管理、職員の勤務シフトを組んだり、忙しい毎日です。また利用者とたこ焼きをつくるなど、さまざまな行事を計画しては腕をふるい活躍しています。護職員として働く60代のお2人にお話をうかがいました。力強く頼もしい存在デイケアセンター「たのしい家」には30人ほどの職員が所属し、1日平均65人の利用者をご自宅などから迎えて健康チェック、リハビリテーション、レクリエーション、昼食、入浴介助などのサービスを提供しています。植うえ山やま和かず子こさん(63歳)は水鏡会に入職して23年。介護福祉士としてフルタイムで勤務し、介助のほか、利用者の話し相手、レクリエーションの企画など、利用者のみなさんの心身の機能の維持・向上に励んでいます。「デイケアセンターの仕事が好きです」と満面50代の職員が多いことから、10年後を見すえて、定年を65歳に引き上げ、同時に希望者全員70歳まで再雇用する制度を構築しました。当法人の事業には『人』が最も大切です。安心して働ける環境にするために職員の声を聞き、賃金が変わることなく65歳まで働ける体制を整えました」と制度改定の背景を明かします。賃金については、60歳から65歳までフラットになるように段階的な改定を行ったそうです。「10年ほどかけて改定し、ようやくフラットになった時点で、石橋プランナーのご提案も受けて、定年の引上げを決めました」と本多総務部長。水鏡会では、退職金を自社積み立てにしているため、制度設計を自由に行うことができ、今回の定年制度の改定にあたり特に問題は生じなかったともいいます。定年を引き上げたことへの職員の反応について本多総務部長は、「賃金が変わらずに65歳まで働ける。そういうことに安心感を持った職員が多かったように思います。60歳を過ぎるといろいろと個人差が出てくることが予測されるため、一律65歳定年でよかったのか、不安もありましたが、職員が安心して65歳まで、希望をすれば70歳まで働ける体制が整ったというメリットのほうが大きいことを実感しています」と話します。今回は、デイケアセンター「たのしい家」で介デイケアセンターで正月飾りをつくる植山和子さん

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