エルダー2020年6月号
66/68

脳力アップトレーニング!働くための2020.664第36回 枠のなかに並んだ二つの数字を見て、大きい方を答えていってください。ただし、「数が大きい方」→「文字が大きい方」→「数が大きい方」→「文字が大きい方」・・・と交互に答えてください。 また、1列ごとに左から右へと進めていき、3列目までいったら、スタートに戻ってもう1周しましょう。 スムーズに2周できるようになるまでくり返してください。数字の識別問題 二つの数字のうち、「大きい数字」をいうだけの単純な問題です。しかし、数の大きい方なのか、文字が大きい方なのか、条件をつけ、かつ交互に変えるだけで、ぐっとむずかしくなります。前頭葉をしっかり活動させましょう。識別能力を鍛えよう人や物を見間違えたり、大事な資料の一部を見落としてしまったり、部屋の掃除を一部し忘れたりなど、そのような失敗が増えてきたという方は、識別能力が衰えてきているのかもしれません。識別能力とは、見えているもののなかから必要なものを選別したり、余計な干渉に惑わされずに正しい方を見極めたりする力のことで、効率よく仕事や家事を進めていくうえでは欠かせない能力です。そこで、おすすめするのが今回のような脳トレ課題です。表示された数字の色や大きさに惑わされず、素早く、的確な選択をしていくとき、視覚やイメージを司る後頭葉と、注意などの認知の制御にかかわる前頭前野が活性化します。ややこしい課題に取り組んでいるときほど、脳は強く活性化するため、前向きな気持ちでチャレンジしてみてください。識別能力を高めて、見間違えや見落としのない脳を手に入れましょう。篠原菊紀(しのはら・きくのり)1960(昭和35)年、長野県生まれ。公立諏訪東京理科大学医療介護健康工学部門長。健康教育、脳科学が専門。脳計測器多チャンネルNIRSを使って、脳活動を調べている。『中高年のための脳トレーニング』(NHK出版)など著書多数。今回のポイント 今回の問題の正解は、7、6、8、4、7、5、3、4、9となります。 5分の練習でスムーズに2周できるようになるのが目安ですが、できるまでくり返すのがトレーニングです。スタート

元のページ  ../index.html#66

このブックを見る