エルダー2020年7月号
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労務資料エルダー51用して、実施可能な高齢者労働災害防止対策に積極的に取り組むことが必要である。なお、事業場における安全衛生管理の基本的体制及び具体的取組の体系について図解すると、別紙(図表)のとおりとなる。1 安全衛生管理体制の確立等(1)経営トップによる方針表明及び体制整備高齢者労働災害防止対策を組織的かつ継続的に実施するため、次の事項に取り組むこと。 ア 経営トップ自らが、高齢者労働災害防止対策に取り組む姿勢を示し、企業全体の安全意識を高めるため、高齢者労働災害防止対策に関する事項を盛り込んだ安全衛生方針を表明すること。 イ 安全衛生方針に基づき、高齢者労働災害防止対策に取り組む組織や担当者を指定する等により、高齢者労働災害防止対策の実施体制を明確化すること。 ウ 高齢者労働災害防止対策について、労働者の意見を聴く機会や、労使で話し合う機会を設けること。 エ 安全委員会、衛生委員会又は安全衛生委員会(以下「安全衛生委員会等」という。)を設けている事業場においては、高齢者労働災害防止対策に関する事項を調査審議すること。これらの事項を実施するに当たっては、以下の点を考慮すること。 ・高齢者労働災害防止対策を担当する組織としては、安全衛生部門が存在する場合、同部門が想定され、業種・事業場規模によっては人事管理部門等が担当することも考えられること。 ・高年齢労働者の健康管理については、産業医を中心とした産業保健体制を活用すること。また、保健師等の活用も有効であること。産業医が選任されていない事業場では地域産業保健センター等の外部機関を活用することが有効であること。図表 事業場における安全衛⽣管理の基本的体制及び具体的取組経営トップ方針表明労働者の意⾒を聴く機会や労使で話し合う機会危険源の特定等のリスクアセスメント及び対策の検討組織・担当者の指定体制具体的取組予防把握・気づき措置場のリスク人のリスク安全衛生教育身体機能を補う設備・装置の導入(本質的に安全なもの)危険箇所、危険作業の洗い出し身体機能を補う設備・装置の導入(災害の頻度や重篤度を低減させるもの)メンタルへルス対策(セルフケア・ラインケア等)ストレスチェック①個人、②集団分析職場環境の改善等のメンタルへルス対策健康維持と体調管理作業前の体調チェック⾼年齢労働者の特性を考慮した作業管理運動習慣、食習慣等の生活習慣の⾒直し健康診断健診後の就業上の措置(労働時間短縮、配置転換、療養のための休業等)健診後の面接指導、保健指導体⼒づくりの自発的な取組の促進安全で健康に働くための体⼒チェック体⼒や健康状況に適合する業務の提供低体⼒者への体⼒維持・向上に向けた指導

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