エルダー2020年7月号
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2020.76改正の背景少子高齢化が急速に進展し、労働人口が減少している現在、経済・社会の活力を維持するためには、多様な人材の活用が不可欠です。特に高齢者においては、60歳以降も高い就業意欲を持つ方も多く、そういった働く意欲のある高齢者が、その能力を十分に発揮し活躍2020(令和2)年3月31日、改正高年齢者雇用安定法が公布されました(令和2年法律第14号)。2021年4月1日より、企業には70歳までの就業機会の確保を図ることが求められます。本稿では、改正法の概要について紹介します(編集部)。できる環境を社会全体で整えていくことが必要となります。一方で、高齢者、特に65歳以上の場合、本人が活躍したいと考えるフィールドや、介護などの家庭の事情、本人の健康状況などにより、正社員以外の働き方を希望する高齢者もおり、多様な働き方のニーズがあることがわかっています。こうした状況をふまえ、2019年6月に政府が策定した「成長戦略実行計画」において、70歳までの就業機会の確保と、65歳以降の多様なニーズに応えるため、法制度上で多様な選択肢を整えることなどが示され、労働政策審議会職業安定分科会雇用対策基本問題部会において、高年齢者雇用安定法の改正に向けた検討が進められてきました。高年齢者雇用安定法の現行制度現在の高年齢者雇用安定法では、事業主に対して、希望者全員65歳までの雇用機会を確保するため、左記の「高年齢者雇用確保措置」のいずれかを講ずることが義務づけられています。高年齢者雇用確保措置①65歳までの定年引上げ②65歳までの継続雇用制度の導入③定年廃止 ※ ただし、2012年度までに労使協定により、継続雇用制度の対象者を限定する基準を定めていた事業主については、経過措置として、その基準を適用できる年改正高年齢者雇用安定法が公布2021年4月1日より70歳までの就業機会確保が努力義務に編集部

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