エルダー2020年7月号
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エルダー7齢を2025年4月まで段階的に引き上げることが認められています。改正内容―高年齢者就業確保措置を新設―3月31日に公布された改正高年齢者雇用安定法においては、事業主に対して、65〜70歳までの就業機会を確保するため、高年齢者就業確保措置として、次の①〜⑤のいずれかの措置を講ずる努力義務が設けられました(図表)。①70歳までの定年引上げ②70歳までの継続雇用制度の導入 ※ 特殊関係事業主に加えて、他の事業主によるものを含む③定年廃止④高年齢者が希望するときは、70歳まで継続的に業務委託契約を締結する制度の導入⑤高年齢者が希望するときは、70歳まで継続的にa.事業主が自ら実施する社会貢献事業b. 事業主が委託、出資(資金提供)等する団体が行う社会貢献事業に従事できる制度の導入なお、努力義務について雇用以外の措置(前述の④および⑤)をとる場合には、労働者の過半数を代表する者等の同意を得たうえで導入することが求められます。また、今回の改正では、これらの努力義務のほか、次の事項についても定められています。●厚生労働大臣は、高年齢者就業確保措置の実施及び運用に関する指針を定める。●厚生労働大臣は、必要があると認めるときに、事業主に対して、高年齢者就業確保措置の実施について必要な指導及び助言を行うこと、当該措置の実施に関する計画の作成を勧告すること等ができることとする。●70歳未満で退職する高年齢者(※1)について、事業主が再就職援助措置(※2)を講ずる努力義務及び多数離職届出(※3)を行う義務の対象とする。 ※1  定年及び事業主都合により離職する高年齢者等 ※2  例えば、教育訓練の受講等のための休暇付与、求職活動に対する経済的支援、再就職のあっせん、教育訓練受講等のあっせん、再就職支援体制の構築など ※3  同一の事業所において、1月以内の期間に5人以上の高年齢者等が解雇等により離職する場合の、離職者数や当該高年齢者等に関する情報等の公共職業安定所長への届出●事業主が国に毎年1回報告する「定年及び継続雇用制度の状況その他高年齢者の雇用に関する状況」について、高年齢者就業確保措置に関する実施状況を報告内容に追加する。出典:厚生労働省HP「改正高年齢者雇用安定法概要」より図表 現行制度(高年齢者雇用確保措置)と新制度(高年齢者就業確保措置)①65歳までの定年引上げ②65歳までの 継続雇用制度の導入  (特殊関係事業主(子会社・関連会社等)によるものを含む)③定年廃止①70歳までの定年引上げ②70歳までの 継続雇用制度の導入 (特殊関係事業主に加えて、 他の事業主によるものを含む)③定年廃止④ 高年齢者が希望するときは、70歳まで継続的に業務委託契約を締結する制度の導入⑤高年齢者が希望するときは、70歳まで継続的に a.事業主が自ら実施する社会貢献事業 b. 事業主が委託、出資(資金提供)等する団体が行う社会貢献事業 に従事できる制度の導入創業支援等措置(雇用以外の措置)(過半数組合・過半数代表者の同意を得て導入)〈高年齢者雇用確保措置〉(65歳まで・義務)〈高年齢者就業確保措置〉(70歳まで・努力義務)現行新設

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