エルダー2020年8月号
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藤波 そうでしょう。なので、定年後の準備のために、定年前にキャリアの振り返りによる自己理解と今後のキャリアプランを考えるキャリア研修を行うことが重要になるのよ。解説2(16頁~)でも触れているから、読んでみてくださいね。はじめ 後で確認します。藤波 二つ目は、管理職への支援ね。これも重要な人事の役割なのよ。はじめ 管理職への支援ですか?藤波 高齢者の期待役割が変わるから、どのように活用したらよいのか困ってしまう管理職もいるの。はじめ たしかに、管理職は戸惑いますよね。藤波 この間まで先輩として働いていた人が部下になるでしょう。精神的にもたいへんよね。はじめ 藤波 だからこそ、“高齢者をサポートしている管理職〟をサポートしてあげることも大事なのよ。人事部内に専任の支援部隊をつくり、定期的に面談することも重要になるのよ。そのほかの方法もあわせて解説3(20頁~)で紹介されているから、そちらを読んでみてくださいね。はじめ よいのですか。藤波 働きに見合った報酬制度を整えることが、最優先ね。はじめ 「福祉的雇用」では、賃金はまったく考慮していなかったからですね。藤波 「福祉的雇用」のときは、全員一律の賃金にして、大幅に水準を引き下げる方法が、多く見られたの。それだと、労働意欲は低くなってしまうわよね。はじめ しいし、高齢者だから、賃金を低く抑えてもよいという理屈はありません。藤波 がんばりを賃金に反映することで、会社からの評価を実感できるわよね。はじめ いるんですか。藤波 基本給は、定年到達前の等級制度・職位といった「過去の貢献」を基準に決める場合が多いわ。定年後のがんばりは、賞与や職務手当に反映させる企業が多いわね。経験が浅い管理職もいますし。はーい! では、報酬管理はどうしたらたしかに。個々のがんばりを評価してほ多くの企業では、どのように反映させてはじめ するので、高齢者もまあまあがんばってくれるということですね。藤波 とね。現在の仕事と基本給が分離しているから、期待レベルが変わっても変わらなくても、労働意欲は「まあまあ」担保できるというわけ。はじめ となりますね。藤波 ほぼ変わらない段階になったわね。はじめ んですね。藤波 した人事施策を整えることが、人事の課題となるわ。はじめ 「弱い活用」では、期待役割の変化に適応する一つの施策として「キャリア研修」を紹介していましたが、重要性はなくなるのでしょうか。藤波 修内容は変わる可能性があるわね。はじめ 方が、重要そうです。藤波 得した能力をさらに高め、活躍の範囲を広げることが企業にとっても高齢者にとっても重要になるからね。はじめ でしょうか。基本給は、「過去の貢献」を基準に設定そう。重要なのは、「まあまあ」というこさらに進むと、第三段階の「強い活用」定年はあっても、現役時代の期待レベルと定年を節目に、さらにがんばってもらうそうね。定年後の現役並みの活躍を前提と期待役割も大きく変化しなくなるから、研役割が変わらないなら専門能力の向上の戦力化の期間が長くなると、現役時代に獲そうなると、キャリア研修はどうなるの10藤波美帆先生

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