エルダー2020年8月号
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藤波 若いうちから「社員が伸ばしたいスキル」と「会社が伸ばしてほしいスキル」を調整し、両者で能力開発の対象を決めることが大切になると思うわ。はじめ キャリア研修は、そのような場になるということですね。藤波 推測の域は出ないけど、おそらくはそうなるんじゃないかしら。はじめ 報酬管理は、どうなるのでしょうか。藤波 基本給の決め方も変わるでしょうね。基本給は、現在の仕事を反映した「いま基準」になるでしょう。統計分析に基づいた推論に過ぎないのだけど。でも、このような会社は、徐々に増えているのよ。はじめ 「過去基準」よりも「いま基準」がよい理由は何でしょうか。藤波 いまの貢献を基本給に反映するから、期待水準が高く設定されていれば、いまのがんばりが報酬により反映されるでしょう。すると、労働意欲が高く維持できる可能性が高まるのよ。はじめ 賃金水準も高くなるということですね。藤波 そうなるわね。はじめ 現役時代と近い活用であれば、管理職も高齢者に遠慮する必要はなくなりますね!藤波 そうなると、人事による現場の支援も相対的に少なくなるわ。これまで、高齢者の戦力化について説明をしてきたけれど、何となくわかったかしら?はじめ はい。やることはたくさんあるけれど、順を追って取り組みたいと思います。藤波 何よりも、高齢者の支援に手間暇をかけることが重要よ。そうすれば、高齢者の働く意欲は高まり、さらに一層、活躍してくれると思うわ。解説1(12頁~)とあわせて考えてみてね。はじめ はじめ すが⋮⋮。藤波 何かしら?はじめ になったとして、です。藤波 次は70歳まで働ける環境の整備ね。はじめ 似たような手順をふめばよいかなと思ったんです。65歳以降は現役時代とは程遠いので、まずは「弱い活用」を前提とした人事施策の整備から始めればよいのでしょうか。藤波 そうね。60代前半層の活用でていねいに対応すれば、65歳以降の活用も同じ方法で考えればよいと思うわ。だから、はじめさんのいう通り、まったく初めて出会う課題は少ないんじゃないかしら。はじめ 藤波 だけどね、違うところが、二つあるのよ。はじめ がんばります。先生、気が早い質問になるかと思うんでいま教えてもらったステップをふんで、今日のお話をうかがうと、65歳以降も、やっぱり。なんでしょう。藤波 上がれば上がるほど、高齢者の個人差は大きくなるわね。社員本人の健康面の個人差が大きくなるから、「健康管理・安全管理」分野の対策がより重要になるでしょう。それに、働く側のニーズも多様化するので、多様な働き方が可能な人事施策の準備が必要になるんじゃないかしら。はじめ い課題です。藤波 は、いままでと少し内容が違うのよね。はじめ すよね。藤波 たから、ここで説明するのは控えるけれど、いままでにない対応も増えるでしょう。はじめ 藤波 面では新しい課題もいろいろ出てくると思うの。はじめ 藤波 ある課題を片づけておくことが大切よ。そして、制度をつくったら、くり返し見直すことも大事ね。はじめ きました。早速、会社に戻って60代前半層の人事制度の整備から取り組んでみます。藤波 はじめ まず、「65歳以降は」というより、年齢が働く期間が長くなると、避けては通れな2020年改正法︵2021年4月施行︶業務委託契約などの就業支援もあるんでそう。今回は、盛りだくさんになってしまっ何をしてよいのかわかりません。そうでしょう。だから、きっとそういった頭が痛くなりそう⋮⋮。新しい課題に直面する前に、少しでもいまはーい。先生のおかげで問題の整理がつまた、いらしてね。はい!ありがとうございました。11エルダー60代前半層も現役時代と同等の活用ができるよう特集新任人事担当者のための高齢者雇用入門65歳以降の課題とは

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