服薬などが加わり、不眠症につながることが示されています。加齢にともなって睡眠時間が短くなったり、若いときに比べて眠りが浅くなったりすること自体は病気ではありませんが、日常生活に影響をおよぼすレベルでの不眠症は避けなければなりません。これらのことから職場での対策を考えていきますと、冒頭でお示しした〝運動―老化サイクル〟がヒントになると思います。職場での身体活動やコミュニケーションは、加齢にともなう心身機能の変化に対して、予防的に働くことが期待されます。通勤や仕事上での適度な身体活動は、生活リズムの安定に寄与し、睡眠の質や食欲の向上につながると思われます。その際には、「職場内外での相談相手」の有無に気を配り、「性差」についても考慮する必要があるでしょう。3002502001501005015歳未満15~24歳25~34歳35~44歳45~54歳55~64歳65~74歳75歳以上出典:厚生労働省『患者調査(2017年)』のデータからグラフ化16014012010080604020045~54歳出典:厚生労働省『患者調査(2017年)』のデータからグラフ化出典:小曽根(2012)「高齢者の不眠」日本老年医学会雑誌49(3)p.2690気分〔感情〕障害(躁うつ病を含む)神経症性障害、ストレス関連障害及び身体表現性障害男性・気分〔感情〕障害(躁うつ病を含む)女性・気分〔感情〕障害(躁うつ病を含む)55~64歳65~74歳75歳以上活動性・社会性低下、感覚機器感受性低下による光同調因子、社会同調因子の減弱■身体疾患(糖尿病、高血圧、慢性肺疾患、脳血管性障害)■薬剤性(降圧薬、抗潰瘍薬、気管支拡張剤、ステロイド剤、アルコールなど)■精神疾患(うつ病、認知症など)■心理・社会的ストレス27※4 順天堂大学医学部衛生学講座「企業経営者・人事労務担当者のための主治医・医療機関との連携ガイド」 http://plaza.umin.ac.jp/~j-eisei/renkei/guide%20C.pdf※5 亀田高志「中高年労働者のメンタルヘルスにおける現状と課題」『エルダー』2018年1月号エルダー特集新任人事担当者のための高齢者雇用入門図表3 「精神および行動の障害」患者数・年齢階級別(単位:千人)図表4 男女別・年齢階級別の「気分障害」患者数(単位:千人)図表5 加齢と不眠症の関連性加齢による恒常性維持機構、生体リズム機構の機能低下不眠症睡眠覚醒リズム障害
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