説得力のある行動が手本に「高齢者には高い技術力・資格があり、豊かな経験は労働災害防止にも貢献しています。働くことが生きがいにつながりますので、働けるうちはいつまでも働いてもらいたい。高齢社員には若手へ技術を伝える役割を期待しており、すでに若手社員から、高齢社員が懇切丁寧に教えてくれることに対して感謝の声があります」同社は2005年に定年60歳・希望者全員65歳まで継続雇用する制度を導入し、2017年には定年を66歳に延長。同時に、定年後は会社が必要と求めれば年齢制限なしで継続雇用する制度に改めました。渡辺プランナーはこの間に同社の高齢者雇用の相談・助言を行い、企画立案サービス※により、公的給付金を活用した継続雇用者の賃金設定などをサポートしました。「もともと長年働いている社員を大事にする社風があり、65歳を超えて働いている方がいらしたので、66歳への定年延長は実情に合わせてすすめたものです。同時に、改めて課題を抽出し、解決を図る糸口を探るために、企業診断システムの活用を提案しました」(渡辺プランナー)企業診断システムは、高齢社員の活用に向けて取り組むべき課題と方向性を整理するために開発された当機構のシステム。同社では同システムの診断結果をふまえて、渡辺プランナーから提案された就業意識向上研修(管理者研修)の実施を受柴■田■傳■三■郎■さん(73歳)は、他社を定年退職後、■■■■け入れ、2019年に同研修を行いました。「高齢社員が増えていることに加え、新規学卒者の入社もあり、現場の管理者の役割が特に重要になっていると考え、管理者向け研修をすすめました」(渡辺プランナー)研修は4時間にわたり、管理者としての現在の自分を知ることから始めて、管理者と組織の役割、コミュニケーション、部下の育成、高齢者の特性、法令などをわかりやすく伝え、最後は受講者一人ひとりが管理者としての今後の決意を表明するという内容でした。同研修は、加藤社長にとっても手応えのある研修だったようです。「技術習得の研修は行いますが、こうした研修は初めて。たいへん勉強になり、受講者も刺激を受けたようです。渡辺プランナーには、社員が長く働いてもらうための取組みについて、今後もアドバイスをお願いしたい」(加藤社長)今回は、同社工事部に所属するお2人とそれぞれの上司の方にお話を聞きました。として、週5日フルタイムで勤務しています。若いときは大型トラックの運転手として10年ほど運送会社に勤め、その後は大学の専門職員として課外活動の助手作業を行っていました。現在のおもな仕事は、社内の安全衛生管理と、河川維持管理ための除草作業の世話役として、効率よく作業が進められるように管理すること。「事故防止と、現場周辺の第三者への安全確保を常に心がけて取り組んでいます。前職では個人や少人数での仕事が多かったのですが、いまは仲間が多く交流があることや、除草作業の完了時にきれいな堤防を見たときの爽快感がやりがいになっています。これからも事故やけがの防止に努仲間とコミュニケーションを取りながら除草作業をする柴田傳三郎さん(左)2020.844※ 企画立案サービス…… 高齢者雇用などに取り組む事業主などに対して、65歳超雇用推進プランナーらによる相談・助言の過程で発見された個別課題について必要な条件整備(人事管理制度の整備、賃金・退職金制度の整備、職場改善・職域開発など)のための具体的な改善案を作成し、提供するもの。かかる費用は、当機構と事業主がそれぞれ2分の1ずつ負担する67歳のときに入社し、河川維持管理業務の世話役
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