エルダー2020年8月号
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第三者提供について特別休暇とは休暇については、就業規則の絶対的必要記載事項であるため、定めておかなければ罰則の適用を受けるおそれもあり、適法とはいえません。ただし、労働者にとって有利な権利の付与であれば、当該休暇を無効と扱う必要はないと考えられます。年次有給休暇以外に、有給の特別休暇を付与する際の留意事項について知りたい就業規則に定めがないのですが、感染症蔓延を回避するために、有給の特別休暇を付与し、法定の有給休暇が減少しないように配慮しようと考えています。就業規則に定めることなく、このような対応をすることは適法でしょうか。付与した休暇は無効になるのでしょうか。らです。したがって、この場合においても、本人の同意を取得することを目ざして、説明を尽くすべきです。公表時の情報公開の範囲について、基本的には、当該個人が特定できる形での公表は避けるべきでしょう。特定可能な範囲で伝達することが許容されるのは、感染防止に関する業務を担当している責任者(人事総務部門など)や濃厚接触者となっており、検査の必要が生じる一部の従業員に限定すべきでしょう。ームページでの公表やビル管理者への情5ホ報提供(第三者提供)に関しても、要配慮個人情報または健康情報を取得する場合と同様に、本人の同意を得ることが困難な場合には、①人の生命・身体の保護、または、②公衆衛生の向上のためのいずれかに該当すると考えられるため、第三者提供することも可能と考えられます。取得の場合と同様、同意を得ることが困難であることを記録しておくほか、提供する際の情報提供の範囲については、社内公表時以上に、詳細な情報は不要な場合が多いと考えられるため、感染症拡大防止に必要な範囲を吟味して提供範囲を検討し、必要最低限の範囲にするべきでしょう。1労働条件については、労働条件通知書、労働契約書のほか就業規則などによって、定められることになります。いわゆる休暇とは、労働義務がある日について、当該労働義務を免除することを意味しており、連続して一定期間におよぶものは休業と呼ばれたりしています。ちなみに、休日とは、労働義務がない日を意味します。労働基準法に定められた休暇として代表的なものに年次有給休暇がありますが、そのほか産前産後休暇、育児・介護休業、子の看護休暇など各種労働関連法によるさまざまな法定休暇(休業)制度があります。はいけないわけではないため、会社は、労働契約に定めるか、就業規則に定める方法で、法定外の休暇を定めることが可能です。会社によっては、慶弔休暇、罹災休暇、リフレッシュ休暇、病気休暇やバースデー休暇、アニバーサリー休暇などを用意している企業もあります。就業規則の必要的記載事項2労一方、法律上の最低限の休暇しか付与して働基準法第89条1号には、休暇に関するQ22020.852A

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