労働安全衛生の実務Q&A日本でいちばん大切にしたい会社7坂■■東■■眞理子、佐々木常夫 著/坂■■本■■光■■司■ 著/あさ出版/1400円+税条文だけでは分からない働き方改革にともない、あらためて働く人の健康管理が注目されるようになった。その法的な根拠となる労働安全衛生法令は、法律に加えて、政令、省令、告示、指針、ガイドラインなどから構成されており、「複雑でわかりにくい」と感じる安全衛生担当者も多い。加えて、法令の解釈が厚生労働省の行政通達によって示されるケースも多いので、法令集が手元にあれば、現場での運用時の課題がすべて解決するわけではないところが、担当者の悩みのタネだろう。本書はそうした担当者のリアルな悩みに応えるために企画されたもの。主として事業場の安全衛生担当者から寄せられた疑問から法令上の解釈を誤りやすい事例を厳選し、根拠条文や行政通達を示したうえで、解決策をわかりやすく示している。労働安全衛生法の構成に沿った九つの章には、合わせて100近くのQ&Aを収録し、解説は何をどうすればよいのかが、わかりやすくまとめられている。新たな安全衛生対策の立案、そして対策の見直しの際にも役立ち、必要に応じて行政通達の原文にあたることで、さらに理解を深めることも可能だ。元労働基準監督署長という経歴を持つ著者ならではの、知識と経験が活かされた好著である。2018(平成30)年の日本人の平均寿命は女性が87・32歳、男性が81・25歳で、ともに過去最高を更新した。1960(昭和35)年と比べると、女性は17・13歳、男性は15・93歳も伸びている。いわゆる高齢期と呼ばれる期間が長くなり、その生き方が多様に変わろうとしている。本書は『女性の品格』の著者・坂東眞理子氏と、大ベストセラー『働く君に贈る25の言葉』の佐々木常夫氏の対談や両氏の軽妙な文章により、70代からの品格ある生き方とは何かを考えた一冊。さまざまな経験を重ねてきた同世代の二人が、みずみずしい感性で、現代社会で高齢期を幸せに生きるためのヒントを語り合っている。取り上げている話題は、家族、病気、お金、仕事、孤独など広く、深い。働くことについては、「まず心がけたいのは若い人たちに対して尊敬の念を持つこと」と坂東氏。佐々木氏は映画『マイ・インターン』を例に挙げて、「謙虚になり、相手をリスペクトすること」の大切さを話す。また、「70代になってできなくなること」、「70代だからこそ、できること」を自らの体験から披露するなど、70代の「いま」がわかる一冊になっている。た※2。長年にわたり中小企業を研究してきた著2008年から刊行している、シリーズの7冊目。累計部数70万部を超える人気を誇る。著者の坂本氏は、本誌2016年11月号「リーダーズトーク」に登場していただき、「人を大切にする企業の業績は安定的に高い」という研究結果や、「企業は高齢者を大切にしなければならない」という持論について話していただい者は、企業経営の最大の使命と責任を、①社員とその家族、②取引先とその家族、③顧客、④地域住民、⑤株主・支援機関の5者の幸せの追求と実現であると提起。それを実践している会社を全国から選び、経営者を詳細に取材して紹介しているのが本シリーズである。本書には、絶対に社員をリストラしない大家族的経営を続けるものづくりの会社や、ボランティア活動に力を入れ全国から慕われている建設会社など、数々の苦難を乗り超えながら人を大切にする経営を実践する7社の事例が収められている。新型コロナウイルスの影響を受けて、先行きに不安を抱く企業が増えている。そんなときだからこそ、人を大切にする経営のあり方や進め方、企業人としての生き方を見つめ直してみたい。本書はそうした心に光を照らしてくれる。検索57※1 この記事はデジタルブックでお読みいただけます。※2 当機構発行の障害者雇用啓発誌「働く広場」2020年8月号の「この人を訪ねて」にも登場いただいています宝島社/1300円+税中山絹■■代■ 著/第一法規/2800円+税エルダーエルダー 2019年 10月号 高齢社員の磨き方70代からの「女の輝き」「男の品格」現場が直面するリアルな悩みを取り上げ、解決策を提示「人重視」、「幸せ重視」の経営を実践する7社のドキュメント現代社会で幸せな高齢期を過ごすために
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