エルダー2020年8月号
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ご存じですか? 体を形づくるものの内訳個人差もありますが体重60㎏の方は、おおよそ筋肉が70〜80%(約45㎏)を占めていると考えられます。内臓や皮膚、血管などは、筋肉の割合が多いためこのなかに含めています。また、血液は体重の約7%(約5ℓ)ありますが、その多くが筋肉や内臓にあるため、これも筋肉の一部として計算しています。そのほかでは、脂肪が約20%(約13㎏)、骨が約3%(約2㎏)とされます(ちなみに脳は脂肪の割合が高く、体重の2%程度〔約1・5㎏〕)。このように改めて数値化して見ると、筋肉が体のなかでいかに多くの割合を占めるか、またさまざまな組織として体の働きを維持するための、多様性、重要性を持っているかがおわかりいただけると思います。だれにでも起こる筋力・運動能力の低下筋肉には、運動するために関節を動かすモーターとしての働きがあります。このほかにも自律神経を介して内臓や血管、血糖値、免疫などを調整する働き、さらには精神状態をコントロールする働きがあります。こうした多様で重要な働きをになう筋肉ですが、年齢を重ねていくにしたがって、もしくは使わなくなってしまうことで、筋肉の線維が減少し痩せてきてしまいます。これは全身の筋肉に起こりますが、特に足の筋肉は早期から症状が現われ、50代で目LET■STRY立つようになってきます。こうなると転倒によるけがのリスクが増加し、けがをすれば、さらなる運動機能の低下が生じ、日常生活動作が不自由になり、寝たきりのリスクが一気に高くなってしまいます。に加え、認知症、成人病や生活習慣病、感染症などの病気を引き起こす原因の一つになっていることが、多くの研究からわかってきています(次頁で紹介する片足立ちテストは、糖尿病や脳梗塞のリスクと深くかかっていることがわかっています)。筋肉は裏切らない! だから運動が必要ための新しい細胞をつくり出しています。そう、体は「生まれ変わっている」のです!なかでも筋肉は47日程度で生まれ変わることがわかっています。いくつになっても筋肉は鍛えられるのです。しかし、加齢にともない、そのスピードは遅くなっていきます。だからこそ年齢が上がれば上がるほど、積極的なトレーニングとそのための時間が欠かせないのです。す。運動不足を感じている方も体力に自信がある方も、肉体と意識のギャップを自覚するためにも、いまの状態を把握することは大切です。筋力低下が起こると運動機能が低下します。また、筋力低下はこのような運動機能の障害体は常に古い細胞を壊し、これと置き換えるまずは現状把握から始めていきたいと思いま ! 次頁からストレッチを紹介! みなさんは日ごろから運動をしていますか? 加齢による身体機能の低下はさまざまな影響をもたらし、場合によっては日常生活や仕事に影響が出てくることも考えられます。そこで本企画では、職場で気軽に、短時間でできるストレッチやトレーニングを紹介します。ぜひ職場のみなさんでチャレンジしてください。61エルダー柔道整復師/八王子整骨院 院長山﨑 由■紀■也■加齢による筋力の低下を防ごう短期連載第1回ストレッチ体操ストレッチ体操

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